地方ゆえ深刻だった人材不足と認知不足の精密鋳造企業が
社長主導で自社技術と仕事の価値をPRで言語化し、
継続的な情報発信で人材獲得と認知拡大を実現!
福島県南会津郡只見町に拠点を置き、創業以来、Hプロセス工法など高度な鋳造技術と熟練職人の知見を活かし、自動車部品を中心に高精度の鋳造部品を開発・製造・販売している精密鋳造部品メーカー、株式会社会津工場。
近年では、自動車部品にとどまらず、アウトドア調理器具など新しい分野への挑戦も行っています。地域貢献にも力を入れており、人口3,700人の只見町で地元企業との連携や「只見ふるさとの雪まつり」といった観光イベントへの協賛を通じ、雇用創出や地域産業の発展にも寄与している企業です。
今回は、ネタもと導入から3年目を迎え、社長自ら広報を「担当者任せ」にせず、「経営戦略」と位置づけ成果をあげている、株式会社会津工場 代表取締役社長 鈴木 直記 様、切削金型部 兼 広報担当 渡部 政晴 様にお話を伺いました。
「ネタもと」導入前の経営課題や悩み
会社の課題として認識していたのは、慢性化した人材不足です。当社は過疎化が進む地方の町に立地しているため、人口そのものが少なく、人材の確保が困難な状況が続いていました。人材採用を強化するためハローワークを通じた募集や、新卒採用に向けた地元学校への訪問などを行ってきましたが、十分な効果は得られていません。現在は海外からの技能実習生を受け入れることで人材不足を補っている状況です。
現在、生産拠点が2つあり、在籍社員は166名です。そのうち海外からの技能実習生が約30名、通勤圏外から通っているため下宿や寮に入居している社員が3〜4名、残りの約130名は地元から通勤している社員です。
最低限、生産に必要な人材は何とか確保できていましたが、会社をさらに成長させていくためには、採用の幅を広げていく必要があると感じていました。特に大学新卒者の採用については、なかなか実現できていないという課題を抱えていました。
弊社は非常に人口減少が進む地域にあるため、人材の確保は難しい一方で、そもそも働く場所自体が少ない地域です。そのため、一度入社していただければ離職は極めて少ないと考えています。こうした環境もあり、会社をPRしたり、職場環境や社員満足度を高めたりすることには、これまであまり力を入れてきませんでした。
また、新規の自動車メーカーとの取引開拓や認知拡大も課題でした。弊社の技術力には自信があったため、一度土俵に上がれば十分に勝負できました。しかし、その土俵に上がるまでの段階で、どうやって弊社を知ってもらうかに非常に苦労していました。
自社PRを行うにも、まず先方に「会ってもいい」と門戸を開いてもらわなければ中に入れません。そのため、アポイントを取ること自体が大きな課題でした。解決策も明確ではなかったため、とにかくさまざまな伝手を頼って紹介してもらうことを繰り返していました。
例えば、大手自動車メーカー様とは現在、継続的なお取引をさせていただいておりますが、お付き合いが始まった10年ほど前は、最初のアプローチに非常に苦労しました。いきなり本社に行ってもまったく相手にしてもらえないため、まずは東北経済連合会という東北地区の経済界の集まりに会員として参加。連合会主催の技術プレゼン会で大手自動車メーカー東日本拠点に対してプレゼンする機会をいただきました。
その後、プレゼン会後の立食パーティでキーマンの方とお近づきになり、懇親を深めて信頼関係を構築するという地道な営業活動を続けた結果、今日のお取引につながっています(鈴木様)
「ネタもと」導入前の広報PR活動状況
広報活動としては、業界内の専門メディアに限定されており、積極的な展開は行っていませんでした。ただし、日刊工業新聞や製造関係の専門誌とは以前から面識があり、技術的な記事を掲載していただいたこともあります。これは、製造関係の会合や工業関係の集まりでの名刺交換がきっかけで始まった関係でした。意見交換をしたり、弊社まで足を運んでいただいたりと、業界内では一定のメディアとのつながりは保っていたのです。
技術PRを行う際には、「こういう記事を載せてほしい」と直接依頼して取材に来てもらうこともありました。しかし、ネタもとと契約するまでは、こうしたメディアとの関係構築の重要性や、世間一般に向けた広報活動の必要性自体を認識していませんでした。
弊社は主に自動車部品等の生産を手がけるBtoB企業で、自動車関連の取引が全体の90%以上を占めています。そのため、自動車メーカーに対する技術的なプレゼンという意味での会社PRには非常に力を入れていました。一方で、自社の認知度を高めたいという思いはあったものの、世間に向けたコーポレートPRの重要性については、「行った方がよい」という認識すら持っておらず、広報担当自体も存在しないのが現状でした(鈴木様)
「広報PR活動」を重視するに至った理由
製造関係の専門誌には、付き合いの一環として、たまに取材していただいたり、広告を出したりしていました。一方、一般誌に広告を出してもあまり効果がないと考えていたため、広告出稿はほとんど行っていませんでした。弊社を知ってもらいたいという思いは強くありましたが、それはあくまで自動車メーカーなど業界関係者向けでした。
一般の方に広く知ってもらう必要性には気づいていなかったのです。取材依頼も、直接仕事につながることを重視し、業界関係者が目にする媒体に限定していました。業界紙であれば業界関係者に見てもらえ、直接仕事につながると考えたからです。一般への情報発信といえば、会社のホームページがある程度でした。広報PRに着手しようと思ったきっかけは、展示会でネタもとと出会い、会社をPRすることの大切さに気づいたことです。例えば、人を採用するにしても、今いる社員の満足度を上げるにしても、会津工場の名を広めて新しい仕事を取りやすくするにしても、あらゆる経営課題において広報活動を通じてPRしていくことが大切なんだと改めて認識しました。そして、ネタもとを契約し広報活動に着手することを決めたのです(鈴木様)
数あるPR支援の中で「ネタもと」を選んだ理由
ネタもとと出会ったきっかけは、弊社が東京ビッグサイトで工業系の展示会に出展していたのですが、そのブースにネタもとの担当者がいらっしゃって、挨拶してくださいました。
展示会が終わってから、弊社の営業担当者から「ネタもとの担当者と名刺交換をした」という話をもらい、そこからZoomでお話を伺いました。そこで初めてプロダクトPRやコーポレートPRの話を聞き、そもそも広報やPRというものが私の意識から欠落していたということに気づいたのが始まりでした。
広報活動とは具体的に何をするのか、まったくわからなかったのですが、いろいろなサービスを説明していただく中で、特に『リサーチ』という機能に注目しました。これは、ネタを探している多くのメディアに対して直接アプローチできる仕組みで、これを見て初めて「こんなに多くのメディアが記事のネタを探しているんだな」ということに気づいたのです。
その中には、当社の技術系の本業でもエントリーできそうだなと思うものもあったのですが、例えば海外研修生をこのように採用していますよといった、技術系とは全然関係ないところも広報のポイントになるんだ、というところが衝撃でした。これまでは技術系の情報発信しかしてこなかったのですが、自分の常識にとらわれた頭では思いつかなかった新しいアピールの方法があることに気づきました。そこで、ぜひネタもとと契約し、これまで以上に新しい視野を持てるようになりたいと思い、契約に至りました。
これまで私たちが、技術的な部分ではありましたが、自動車関連メーカーにさまざまなプレゼン活動やPR活動をしてきても、「メディアに取り上げてもらう」ということはまったく意識になかったことなのです。でも、メディアの数だけ取り上げてもらえる可能性があるのだ、PRできるチャンスがあるのだということに気づきまして、それならどのくらいの成果が出るかわからないけれど、この可能性に賭けてみようと思いました。
ネタもとと同様の会社があることも知らなかったですし、私の知らなかった世界がここにあったため、比較検討をすることもなく契約をさせてもらうことにしました(鈴木様)
「ネタもと」を利用し得られた成果
社員一人一人に直接感想を聞いたわけではありませんが、広報活動を始め、メディアに掲載されたことで社員同士のコミュニケーションが活性化していることは大きな成果です。実際に「ここに記事が載ったよ」といったことが社内で話題になっています。
また、昨年12月に地元のテレビ局である福島中央テレビが取材に来た際も、できるだけ多くの社員に関わってもらいたいと思い、「次はあなたが出て」といろいろな社員にインタビューを受けてもらいました。この取材は視点を変えて、1月中に3回放映され、当社のさまざまな情報をお届けすることができました。
小さな町ですから、テレビで放映されると町の中で大きな話題になります。社員だけでなく、社員の家族や友人たちも会社のことを知ってもらえるようになり、「どこそこの誰がテレビに出てたね」という声が次々と届きました。
さらに、3回の放映のうち1回は「地域でフードロスを防ぐ取り組み」として取り上げられ、私がもう一社、代表を務める温泉ホテル「季の郷 湯ら里」にてバイキングの残りを従業員の昼食に活用するという内容が紹介されました。この内容はYahoo!ニュースにも掲載され、反響として問い合わせが12件届きました。ホテル関係の同業者から「どうやっているんですか?」という問い合わせをいただき、業界内での注目と信頼につながっていることを実感できた、大きな成果のひとつです。
なお、この掲載はネタもと経由のものではありませんが、ネタもとを通じて広報活動を学んだからこそ実現できたと感じています。すぐに宿泊者数の増加といった数字には直結しないことは理解していますが、こうした反響はメディアとのリレーション構築にもつながっています。「新しいメニューができたらまた取材してほしい」とお伝えするなど継続的な関係づくりを大切にしながら、地元の方々から「見たよ!」と声をかけてもらえるような取り組みを積み重ねていきたいと思っています。
こうした積み重ねが会社への信頼につながり、社員が誇りを持てる雰囲気をさらに育んでいくと確信しています。明確な数字で示せるものではありませんが、確実にプラスの成果が生まれているため、今後も継続して取り組んでいきたいと考えています(鈴木様)

私が広報担当者であることを他の社員が知っているので、「これもネタになるんじゃない?」「これは普通に私たちがやっているけれど、こういうことも記事になるんじゃない?」といった話をいただくことがあります。普段はあまり話したことがない人でもそういった声をかけてくれるのです。
テレビ局の取材が入ると、「これは渡部くんが引っ張ってきたの?」などと声をかけてくれたりしますね。当初は、会社が紹介されるということに社員は無頓着だったと思うので、情報を発信するという意識が明らかに芽生えてきたと実感しています。
社長から「これから渡部くんに広報をやってもらうことになりました」という発表が一昨年の末にあり、それ以降、取材を受けたり、メディアに掲載されたものを見た人たちが積極的に声をかけてくれるようになりました。社員の意識が変わり、社内のコミュニケーションが活性化しています(渡部様)
他にも、広報活動の成果が直接結びついたかどうかはわかりませんが、栃木にある日産自動車の非常に大きな生産工場で鋳物を専門にやっていた人が、当社に入社しました。
日産といえば、私たちのお客様です。自動車メーカーですから。そこからわざわざ当社に来てくれました。まだ入社して間もないので現場で研修中ですが、非常に優秀で、きっとすぐに力をつけて会社の大きな戦力として活躍してくれるのではないかと、今から期待しています。
当社は新卒も中途もどちらも採用はしているのですが、地元に高校も一つしかありませんし、高校を出ても地元に残る生徒がまずいないんですね。ほぼ全員外に出ていってしまう。ですから採用をしたくても人がおらず、2年か3年に1回、1人採用できたら大きな成果とか、そんな現状です。しかし今後は、もっと広い地域に目を向けて大学卒の採用活動も具体的にスタートしていきたいと計画しています。2027年卒あたりから大卒採用も実現できればと考えており、採用の選択肢が広がりつつあります。
また、ハッキリした数字はわからないのですが、明らかにこれまでと違うと感じることがありました。毎年私どもは東京ビッグサイトや幕張メッセなどで開かれる工業系の展示会に出展しています。あのような巨大な会場で多数の企業が出展していると、なかなか私たちのブースにまで興味を持って来てくれる人は多くありませんでした。
ところが去年出展したときは、来てくれる人がまったく途切れないんです。途切れないどころか、列をなしていて、あまりにも人が多くて営業がてんてこ舞いをしていたので、急遽私も加わって3人でお客様の対応をし、弊社のPRをしていました。
来ていただいた方の名刺を後で確認してみると、まったく業種も違うような方が何社か来てくださったり、大きな企業の方も来てくださったりして、その時は「どうしてなんだろう」と思っていましたが、ひょっとすると広報活動をしたことで当社を知ってもらい、メディアやYouTubeで見てくださった人が来てくれたのかなと思い至りました。こんなに認知が広がったのかと驚きましたね。
展示会は通常3日間あって、これまで弊社のパンフレットを3日分、余裕を持って用意していたのですが、去年は2日目で全部なくなってしまったのです。そんなことは初めてで、驚きました。結果として、ネタもととの契約以前と比べて展示会への来場者数は約200%増、名刺交換数も約150%増となっており、営業も驚いていました。
展示会は直接売上と結びつくものではなく、この業界の特性なのですが、自動車は設計をして開発を始め、量産して売上になるまで2〜3年かかります。私どもが自動車メーカーからお話をいただいてから、協力をしてテストや試作を進めるわけですが、まずはビッグサイトの展示会で自動車部品メーカーが弊社に来て、お互いにプレゼンをしてから技術的な打ち合わせをし、ではこれをトライしてみようかというところからスタートし、そこから2年、3年とやっていくわけです。
ですから展示会でのお客様が増えたことは、開発の最初の取引先として興味を持ってもらえたということなのです。広報を始めたことによって、これまでより幅広いお客様が見えて、興味を持ってくださいました。「こんなことはできますか」「こういう技術はありますか」といった問合せがかなり増えました。件数として明確に切り分けた集計は、現時点では難しい状況ですが、展示会やメディア露出をきっかけとした新規顧客からの問い合わせは増加しています。他にも、「ネタを作ってプレスリリースにする」という情報発信の仕組みを構築できました。
年末には、私が代表をしている温泉ホテルの朝食バイキングで余った食材を、会津工場の社員食堂で再活用する取り組みを実施しました。もともとは「食ロスをどう減らすか」という課題が出発点でしたが、社員食堂で活用することで食ロスをゼロにでき、SDGsとしてもアピールできると考えました。
この取り組みは、環境問題という観点でメディアに刺さりやすく、PRネタとして効果的であることを実感しました。また、社内でも「これはネタになるのでは」と意識が向くようになり、些細な取り組みも広報につなげられる流れが生まれています(鈴木様)

具体的に取り組んだこと
広報担当者が社内にいなかったため、まず私がネタもとを活用してみることにしました。『こんな会社』という企業紹介や『社長ストーリー』といった記事を作成し、『リサーチ』へのエントリーも行いました。技術に関するPR資料は山ほどありましたが、それ以外の部分をどうPRすればいいかわからず、「こういった部分もアピールできるよ」とネタもとの担当者に教えていただきながら進めました。
ネタもとの担当者に指導を受け、半年から一年ほど経つと、「こういった活動は継続していく必要がある」と実感するようになりました。より積極的にPRの場を広げていくには、専任の担当者が必要だと判断し、現場のことがわかる技術部門の渡部を広報担当に据えました。今は技術系の仕事をしながら広報もやってもらっています(鈴木様)
当初、鈴木が行っていた広報活動の内容は社内にまったく共有されていませんでした。そのため、担当を引き継ぐ際に初めて、これまでの取り組み内容を聞いて理解することになりました。しかし、私は以前から広報活動の必要性を感じていました。弊社はBtoB企業で一般の方々に情報が届きにくい状況にあり、広く会社を理解してもらう機会をつくることは重要だと考えていました。
広報担当に任命されてから、まずプレスリリースの作成に取り組みました。私はずっと技術畑の人間で、自社の技術には自信を持っていましたが、それゆえにリリース内容が技術寄りになり、数値や技術説明ばかりになってしまいました。「これではきっと読者の目を引かないだろう」と自分でも感じながらの作成でした。
それでも、何とかメディアに情報を届けたいという思いから、コネクション構築を重視しました。ネタもとが開催している『メディア交流会』などを活用して知り合った記者の方々と積極的にメールでやりとりを続けた結果、いくつかのメディアの方からお返事をいただけるようになりました。
あるとき、記者の方から辛辣な意見をいただいたんです。「技術がすごいのはわかります。でも、それをユーザーが手に入れた時にどういう体験ができるのですか? それがまったく伝わってきませんよ」と。この一言で、自分の観点が変わりました。
最初は「こんなに書いているのに、なぜ伝わらないのか」とやきもきしましたが、ご指摘はまさにそのとおりでした。そこから、技術の情報を並べるのではなく、その技術によって社会やユーザーにどんな価値が生まれるかを中心に伝えることを意識して文章を考えるようになりました。
また、ネタもとの担当者からは、メディアに受けるノウハウを教えていただきました。メディアに刺さるネタの選び方やワードチョイスとして、単なる技術紹介にとどまらず、環境・社会課題・独自性・数字といったニュース性のある要素と結びつけ、誰にでも伝わる言葉で表現することが重要だと学びました。これまでまったく意識していなかった視点で、目から鱗が落ちる思いでした(渡部様)
ネタもと独自の「広報活動診断」
ネタもとでは、定期的に独自の「広報活動診断」を実施し、お客様の「自走化状況」を可視化・数値化することで、成果が見えづらい広報活動の「効果検証」を可能にし、自走化実現までの道のりをしっかりとサポートしています。
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・日刊工業新聞
・福島民友
・中日新聞
・ゴジてれChu!(福島中央テレビ )
・カミナリのチャリ旅!(とちぎテレビ)
・アルバレスの空(BSテレ東)
・AlkuTokyo
・マイナビニュース
・BIGLOBEニュース
・ZUUonline
・Share Withカイシャの育成論
・朝日マリオン・コム
・読売新聞大阪 わいず俱楽部
・月刊新潟Komachi
・GetNaVi
・週刊大衆
・OUTDOORあそびーくる
・工場管理
掲載されるために工夫したこと
メディア向けのワード選択は、かなり気を遣うようになりました。おかげで目に留めていただけるようになったと思います。メディアに話せるネタをいくつか用意していて、それぞれのメディアに刺さりそうなものを選んで出し分けています。幸い、弊社の技術は「世界で唯一」と言えるようなものですので、そのワードがメディアに刺さっているのではないかと思っています。
商品紹介であれば、背景や開発ストーリーといった点を意識して盛り込むようにしています。メディアには、連絡先をもらったら臆せずどんどんメールを出し、地元のメディアには取材に来てくださいとお話をしたりしています。実際に頻繁に連絡をくださるメディアの方もできましたし、こちらからの連絡に確実に返信してくださる方もかなりいらっしゃいます。地元のテレビ局からも取材をしていただけるようになりました。全国規模のテレビや新聞からはまだ取材をしていただけていないので、もう少し仲良くなったり取材に来ていただいたりといった関係になれるよう努力していきたいです。
逆に、「すごい技術だ」といった根拠のない過信するような表現は自分からは言わないようにしています。嘘をついて話を盛ったりしないことも心がけています(渡部様)
どのような企業に「広報PR」や「ネタもと」を勧めたいか
広報活動をぜひ始めてほしい企業は、社長がチャレンジ精神旺盛で「よし、やってみよう」と楽しんで挑戦できる企業です。社長自身が面白がって取り組む姿は、社員の意識にも良い影響を与え、広報活動のモチベーションや発想力を高めます。
どんな小さな取り組みでも楽しんでやってくれる社長のもとでは、社員も前向きに関わるようになり、広報活動が自然と社内に広がります。社長の挑戦心は社内に伝播し、社員一人ひとりの行動や意識を変え、会社全体の情報発信力を高める原動力になります。こうした企業には、広報活動をぜひ積極的に始めてほしいと思います。私自身、広報活動を始める前は、そもそも「広報」という認識すら持っていませんでしたが、実際に取り組むことで、会社のブランディングや認知度向上、社内コミュニケーションの活性化など、さまざまな効果を実感しています(鈴木様)
私は、BtoBだから、地方だから、中小企業だから、製造業だからといって、広報が必要ない企業はないと考えています。むしろ、制約やハンデがある企業ほど、広報を始めてほしいと思います。たとえば、「安全面に配慮してこうした工夫をしています」といった日々の業務や、小さな改善や工夫も、視点を変えれば立派な情報発信のネタになります。こうした取り組みを外部に伝えることで、会社の魅力を知ってもらえるだけでなく、社員の誇りやモチベーションの向上にもつながります。
私自身の経験からも、広報は企業規模や業種に関係なく必要だと実感しています。自社の取り組みや強みを整理して発信することで、顧客や地域、取引先からの理解や信頼が深まり、結果として事業の成長にもつながります。広報は単なる情報発信ではなく、会社の価値を外に示し、社内の意識を高める重要な手段だと考えています(渡部様)

今後のさらなる目標
弊社は会津の只見町に拠点を置き、会津工場には約170名の社員が勤務しています。私が代表を務める温泉ホテル「季の郷 湯ら里」を合わせると、社員やその家族、関連する下請け企業まで含めると約1000人規模になります。只見町の総人口が約3000人であることを考えると、町の3人に1人が弊社に関わっていることになります。
こうした背景から、弊社の広報活動は、企業のPRにとどまらず町おこしの一助にもなると考えています。将来的には、町役場と連携して町全体で広報活動に取り組むことで、地域全体を巻き込んだ情報発信も可能になるのではないかと考えています。
只見町では、現在1学年あたり10〜15人しかいない小学校もあり、過疎化が進んでいます。人口減少は日本全体の少子化とも関わりますが、町の人口を維持・増加させることは、外部から少しずつ人を呼び込むことで十分に可能です。町で子育てや生活をしてもらえれば、逆に人口増加も期待できます。
弊社では、こうした地域課題も意識しながら、広報活動を通じて町の魅力や元気な姿を発信しています。東北の山間にある小さな町でも、企業や地域が積極的に取り組んでいることを発信し、過疎対策や町おこしと結びつけることで、地域全体に広がる活動にしていきたいと考えています(鈴木様)
以上、今回は、地方企業ゆえ深刻だった人材不足と企業認知の低さという課題を、社長主導で自社の技術や仕事の価値をPRで言語化し、継続的な情報発信によって認知拡大と人材獲得につなげた成功事例をご紹介しました。人材確保や企業認知の向上に課題を感じている企業はぜひヒントにしてみてください。
お忙しい中、取材にご協力いただきました、鈴木様、渡部様、本当にありがとうございました。
参考:株式会社会津工場 様:166名(2026年2月現在)
