冷凍・防熱扉を手掛けるニッチメーカーが「PR」で
現場の声を軸に、社員の誇りと会社の価値を可視化
社内発信とメディア露出で、組織力と採用力を獲得
1958年に冷凍冷蔵倉庫メーカーとして創業し、製造や物流の現場で使用される防熱扉の設計・製造・販売・施工事業を展開する、岸産業株式会社
食品加工場の冷凍庫扉や、内装に使用されている潜水艦の扉、マイナス50℃の環境下でも機能する試験室の扉など、他では製造が難しい製品をオーダーメイドで設計・製造できることを強みとする企業です。
今回は、社内から「広報活動に意味はあるのか。社長の自己満足ではないか」という反対の声が上がる中、社長自ら広報PR活動に取り組むことを決断。その結果、社内の変化のみならず、事業や採用など経営面においても大きな成果を上げている岸産業株式会社の代表取締役社長 岸 晃広様、取締役工場長 濱口 大志様にお話を伺いました。
「ネタもと」導入前の経営課題や悩み
業績が悪かったわけではないのですが、インナーブランディングや従業員エンゲージメントといった社内課題に強い問題意識を感じていました。我々は製品ユーザーと直接取引するわけではないため、実際に使っていただいているお客様と直接お話しする機会はほとんどありません。そのため、自分たちが作っている商品や仕事がどのような価値を生み出しているのかを、なかなか実感しづらい状況にありました。
その結果、従業員たちは「ただ仕事をしている」「労働はお金を稼ぐための手段」といった感覚に陥りがちで、私はそれをとても残念に感じていました。本来、仕事とはもっとやりがいがあり、誇りを持てるものですし、「自分たちの仕事がどのように社会に貢献しているのか」を実感できれば、充実感や達成感が生まれ、会社へのロイヤリティも高まるのではないかと考えていました。
そして、それが結果的に会社の利益につながり、従業員へ還元できるのではないかとも思っていました。こうした充実感や達成感、誇りを感じにくい状況にあったのは、実は従業員だけでなく、私自身も同様でした。私は、ゼロからイチを生み出すビジネスが好きで、これまで誰も手がけたことのないような仕事にも積極的に取り組んできました。事例として多いわけではありませんが、まだ世の中にない商品を形にする仕事を実現できた際には、お客様の声を直接聞くことができ、その体験を通じて「自分たちは誇れる優れた技術を持っているのではないか」と感じるようになりました。
しかし、私が感じたような仕事に対する誇りを、ほかの従業員も同じように持てているかというと、そうではありませんでした。唯一無二の商品を作れるということは、非常に大きな価値です。誰でも作れるものであれば価格競争にさらされ、利益率も低くなってしまいます。一方で、唯一無二の商品であれば、その価値に見合った価格を設定でき、お客様にも納得してお支払いいただける。これほど恵まれたことはないと考えています。
自社の技術や生み出す商品にはそれだけの価値があるということを、従業員自身に気づいてほしいと感じていました。
また、当社が属する業界は競合が15社ほどのニッチな市場で、そのうち5社ほどで全国シェアを争っていますが、各社の差別化が十分にできておらず、私たち自身も「岸産業の強み」を明確に言語化できていませんでした。その結果、フロントのサービスや価格によって評価され、選ばれるかどうかが決まる状況にあり、そこにも課題を感じていました。
さらに、採用難も深刻でした。求人媒体やハローワークに求人を掲載しても応募がほとんどなく、「年間2人採用できれば上出来」という状況でした。新卒採用はすでに断念しており、求人は常時掲載している状態でした(岸様)

「ネタもと」導入前の広報PR活動状況
ネタもと利用前は、社内に広報体制はなく、広報担当者もいませんでした。会社としても、私個人としても対外的な情報発信は一切行っておらず、SNSも活用していませんでした。求人情報の掲載以外に広告出稿もしていませんでした。
経営者としての社内への情報発信についても、会議の場で私の考えや方針を伝える程度にとどまっていました。毎週月曜日の朝礼では必要事項を伝え、毎月開催される営業部門や製造部門の定例会議でも話をしていましたが、参加者は部署長メンバーのみでした。そこで私が話した内容は、部署長から各部門のメンバーへ伝達される形をとっていました。
しかし、結果としてはほとんど伝わっていませんでした。「少しは聞いているが、伝わっていない」という状態で、社長の考えが社内に浸透していない状況でした。気になるスタッフがいれば飲みに行ったり、個別に話を聞いたりと、自分なりに従業員とのコミュニケーションは図っていましたが、経営ビジョンや会社理念を社内全体に浸透させるための具体的な施策を講じていたわけではありませんでした。
私自身、インナーブランディング向上の必要性は強く感じており、銀行系のコンサルタントを導入したこともありましたが、結果的には十分に活用できないまま終わってしまいました。何かを始める際も、私が突然話を持ち出し、一方的に「これをやる」と決めて進めてしまうことが多く、従業員からすると“やらされている”という感覚が強かったのだと思います(岸様)
「広報PR活動」を重視するに至った理由
広報に取り組もうと思ったきっかけは、ネタもとからの熱意ある電話営業でした。広報を行うことで会社にどのようなメリットがあるのか、こちらが電話を切りづらくなるほどの熱量で数多くお話しいただいたのですが、その中でも「ファンづくり」という言葉が心に刺さりました。
自分の仕事に誇りややりがいを感じられずにいた従業員たちは、新しい取り組みに対してとても億劫になっていました。これまで経験のないことに挑戦しようとすると、「リスクを取ってまで、なぜやる必要があるのか」「何の意味があるのか」「なぜやらされるのか」といった否定的な声が多く上がる状況でした。
そうした中でネタもとの営業担当の話を聞き、広報活動を通じて自社の強みを明確に言語化することで、従業員自身が岸産業の「ファン」になってくれれば、それは大きな力になるのではないかと感じました。インナーブランディングに課題を抱えていた私にとって、「まさにこれだ」と思える内容だったのです。
とはいえ、その時点では広報活動で具体的に何を行うのかイメージは全く湧いておらず、「社内で何か企画を立てて進めていくのだろうか」と考えていました。インナーブランディングの強化を主な目的として、「社員が岸産業を好きになるような取り組みを打ち出していきたい」と説明したのですが、従業員からは「メディア向けに発信しても意味がないのではないか」「まだ外部に発信する段階ではないのではないか」といった反応が多く、なかなか賛同を得られませんでした(岸様)
私自身も広報に取り組むと聞いた時は、正直「なぜやるの?」と感じていました。「インナーブランディングにどうつながるの?」とも思っていました。とはいえ、社長がやると決めている以上、広報メンバーを決める際も「やることにはなったが、どうする?」といった温度感でした(濱口様)
数あるPR支援の中で「ネタもと」を選んだ理由
他社サービスとの比較検討を行ったわけではなく、ネタもとからの電話営業一本で、広報に取り組むことを決めました。投資額は当時の岸産業にとって決して小さなものではありませんでしたが、それでも即決に近い形で決断できたのは、やはり営業担当者の熱量によるものでした。
正直なところ、テレアポで接点を持った会社に対して大きな投資を行うことには、当初半信半疑な部分もありました。しかし話を聞くうちに、営業担当者自身が「ネタもと」の強い「ファン」であることが伝わってきたのです。
広報に取り組むことの経営への効果や、ネタもとのサービス内容について丁寧に説明いただいたことはもちろんですが、それ以上に印象的だったのは、自社について語る姿勢でした。「これほど自分の会社について語れる社員は、当社にはいない」と感じました。自社の取り組みに対する強い共感や愛着があるからこそ、ここまで価値を言語化できているのだろうと思いました。
また、一方的な売り込みではなく、本当に当社のことを考えたうえで広報の価値を伝えようとしてくれている、という姿勢も感じました。中でも印象的だったのは、営業担当者自身が「ネタもとの考え方がめちゃくちゃ好き」と率直に語っていたことです。自社サービスを提供する立場でありながら、まず「自分が好きだ」と言い切る。その率直さと熱意が心に響きました。
その姿を見て、従業員たちにも同じように自分の会社について語ってほしい、そのために「社内のファンづくり」に取り組みたいと強く思うようになりました。広報の目的である「ファンづくり」が、ネタもとの営業担当者の姿にそのまま表れていたのです。理屈で説明される以上に、目の前でその成果を体現されているように感じられました。その説得力の大きさが、最終的な決断につながりました(岸様)
「ネタもと」を利用し得られた成果
ネタもととの広報活動をスタートして半年ほど経った頃から、社内に変化が現れ始めました。きっかけは、従業員がネタもとのメディアが探しているリサーチテーマに対して情報提供を行うリサーチ機能を通じて「AERA」の取材を受け、記事が掲載されたことでした。
その従業員が掲載記事を家族に見せたところ、「すごいね」「お父さんめっちゃかっこいいやん」と、とても喜ばれ、認めてもらえたそうなんです。その時に「自分の仕事における存在価値を、初めて実感できました」と話してくれました。さらに「こういうふうに、みんなが載ってほしい。素晴らしいことや」とも言ってくれたんです。もちろん、ほかの従業員たちもその記事を読んで、すごく喜んでいました。やっぱり仲間なので。
私が掲載されても「社長だから」と思われるだろうと考えています。実は最初にメディアに掲載されたのは私だったんですが、その時に濱口から「従業員たちは『社長は自己満足で広報をやっている』と言っていますよ」と聞いて。「趣味で広報をやっている」とまで思われていたんです。「そこまで言うか!」と思いましたけど、「まあ、しゃあないな。まだ広報の価値をちゃんと伝えられていないだけやな」と受け止めました(岸様)
私自身も取材を受ける機会がありましたが、記事が掲載されてから、家族が私の仕事についてより理解してくれるようになったと感じています。「いつも仕事ばっかりで」とか「家のこと何にもせえへんで」とか、いろいろ思うところはあったと思うんですが、普段どんな仕事をしていて、それにどんな価値があるのかを知ってもらってからは、家族も私の仕事を応援してくれているなと感じています。
その意味でも、従業員がメディアに掲載されるというのは、その家族に対してもすごく良い影響を与えるものだと思います。家族の理解を得て、仕事を応援してもらえるというのは、とても大きなことですよね(濱口様)
お客様もHPや掲載記事などを見て、うちの会社のことを事前に深く知ってくれるようになり、岸産業の価値がこれまでと違ってきたように感じます。「素晴らしいことをやっているね」という入り口から、会話や商談が始まるようになったんです。これは本当に大きな変化だなと感じています。
採用面でも大きな効果があり、6年前の従業員数は20人でしたが、現在は40人と倍増しました。特にこの2~3年では、6人ペースで増えています。人数が増え、若く多様な考え方が入ってくるようになったことで、会社として新たな仕組み作りが必要になってきました。いろいろな人の考え方を縛るのではなく、私の考えるビジョンをより明確にし、それに向かう従業員のマインドを高められるような組織作りです。
ネタもととの出会いをきっかけに、朝礼のあり方も大きく変わり、それまで以上に、経営者としての私の考えを従業員に直接どんどん伝えるようになりました。現在は、求人媒体への1回の掲載で約30人の応募があります。職種によって差はありますが、以前の5~6倍ほどです。弊社の掲載記事を読み、岸産業に共感して応募してくれる人がとても増えました。「うちの従業員よりも僕のことをよくわかってくれてるんちゃうか」と思うくらいです。応募者の年齢層も30~40代が中心で、以前に比べてだいぶ若返りました(岸様)
以前は募集をしても本当に応募が来なかったんですが、いまは選考させていただけるくらいの数の応募をいただけるようになりました。来てくださる方々も、社長が雑誌などに載っているのを見た上で来てくれるので、相手の思いもこちらの思いも、よく伝わります。何より「どこでもいいから」ではなく「ここで働きたい」という人たちが来てくれるようになったのは、本当にすごいことですよね(濱口様)
社内のファン作りという意味では、新しい取り組みを始めることへの従業員の拒否反応が減ってきたと思います。僕がどんな未来を描いているのかを発信できるツールとして広報を使うことで、考えを理解し、協力してくれる雰囲気が生まれてきました。以前は「嫌や、嫌や」だったのが、「まあ、やりましょうか」と前向きに受け取ってくれる人が増えたと感じます。
先月、平日の昼から会社を閉め、全従業員を集めて経営計画発表会を近隣のホテルで開催しました。こうしたイベントの際、これまでは「現場の仕事が入っているのでいけません」とか、当日になってから「行けません」と言って欠席するメンバーが出るのが常でした。さらに今回は“正装”というドレスコードもあったので、どうなるかと思っていたら、なんと全員きちんと正装で集まってくれたんです。その雰囲気がめちゃくちゃよかったんですよね。こういう取り組みをするとき、今までは反対意見が出て、「俺は行かへん」となることもあったので(岸様)
正直、以前までは「行かへん」「なんで行くねん」といった声が、私の耳にもよく入ってきていました。でも今回はそれがなく、聞こえてくる声といえば「どんな服装でいったらいい?」といった話題ばかりで、否定的な声はまったくありませんでした。
はじめは「社長の自己満足」と思われていた広報活動ですが、それが自分たちの仕事のプラスになっていることを、従業員たちも感じ始めています。掲載記事などを通じてうちの技術が知られるようになり、「岸産業さんならできるのでは」と、これまで扱ったことのない仕事が来るようにもなりました。
いまは広報活動が楽しいです。うちの会社のことが相手によく伝わったり、知らなかった人が知ってくれたりするのは、本当にうれしいことです。従業員がメディアに取り上げられて家族が喜んでいると聞いたあたりから、広報の良さや楽しさを実感するようになりました(濱口様)

具体的に取り組んだこと
もともと、自社の強みがあまり明確になっていないことが課題だったので、まずはメディアに刺さるような、自社にしかない強み、「これだから岸産業は選ばれる」「ここが素晴らしい」というポイントを言語化し、ネタを作り出すことに取り組みました。それはとても難しいことでしたが、岸産業にしかない独自の価値が見えてきた、この最初の取り組みが最も重要だったとも思います(岸様)
社内の情報をまとめて言語化するのも初めてのことだったので、とても大変でした。リサーチや報道資料は、社内で文章が得意な人にも協力してもらいながら、なんとか作り上げていきました。広報トレーナーが原稿を細かく添削してくれたり、書き方のポイントを教えてくれたりしたのが本当に助かり、いまでもその時期に添削してもらったものを見ながら「こんなふうに書くんだな」と参考にしています。社内の情報収集や資料作成など、やることはたくさんありましたが、広報トレーナーから言われたことを、みんなで協力しながら「宿題」として一生懸命取り組みました(濱口様)
はじめは、自社の仕事のことをどう説明したらいいかわからず、報道資料冒頭の会社紹介文を書くのも大変でした。「防熱扉」といっても、一般の人には何のことだかさっぱりわからないですよね。それを誰にでも伝わるように書くのが難しく、私たちはプロフィール情報からつまずいていたんです。社員も最初のころは、リサーチを書くのに3~4時間くらいかかっていたようです。今では1時間程度で書けるようになり、得意なメンバーだと10~15分で書き上げる人もいます。
一方で、広報に何の価値があるかもわからないまま選任したメンバーには、1年目は手当を付けていなかったんですよね。そこは、メンバーたちにつらい思いをさせてしまった、私の失敗談です。時間もかかって大変なのに、頑張りに対して評価が足りなかったと思います。そのせいで、前向きに取り組みづらくなっていたかもしれません。
広報メンバーは周囲から「こんなことやっていて意味あるんか」とか、結構言われていたんですよね。それにもかかわらず、1年目は負担に対する手当も出してあげていなかった。その反省から、2年目以降は明確な評価基準をつくり、しっかり見合った手当を付けられるようにしました(岸様)
兼務体制の中で、広報に割く時間を作るのには苦労しました。広報をやっている間は、どうしてもいったん本業のほうを置いておくしかなくなります。その分、周りがカバーしてくれてはいましたが、兼務で広報にあたっているメンバーには、やはり負担がかかっていたと思います。従業員たちが広報活動の意味を理解してくれるようになってきたことで、そのあたりの協力体制も少しずつ整ってきたように思います(濱口様)

ネタもと独自の「広報活動診断」
ネタもとでは、定期的に独自の「広報活動診断」を実施し、お客様の「自走化状況」を可視化・数値化することで、成果が見えづらい広報活動の「効果検証」を可能にし、自走化実現までの道のりをしっかりとサポートしています。


・ZUU online
・@IT
・日刊工業新聞
・共同通信
・AERA
・月刊廃棄物
・月刊HACCP
・ツギノジダイ
・Coki
・Yahoo!ニュース
・Wedge
・月刊 食品工場長
・日経トップリーダー
・オフィスの広場
・わたしの決断物語
・BizHint
・milushi みるし
・循環経済新聞
・物流不動産ニュース
・カーゴニュースオンライン
掲載されるために工夫したこと
ネタもとで開催される「メディア交流会」に参加したとき、最初はガチガチに緊張していました。時間も決められているし、何をどんなふうに話せば伝わるのか、全くわかりませんでした。でも、いくつかの媒体と話をしていき、他社の広報担当者の方々のやり取りも見ていく中で、最終的には「楽しくいこう」と思い、吹っ切れました。
初めて会うメディアの方を前に緊張していたら、相手の話がなかなか入ってこなかったのですが、ということは、メディアの方も私の話がよく入ってきていないのかも、と思ったんです。すごく説明的な話し方になってしまっていたので、それよりも楽しく「こんな会社なんです~」と接したほうが伝わるかなと思いました。楽しい会話の中から、何か興味を持ってもらえたほうがいいな、と(濱口様)
「メディア交流会」の対策として、視覚的に見せられる資料を3枚作りました。メディアの方とのコミュニケーションはしっかりするよう心がけています。レスポンスの速さはもちろん、質問されたことには意図を汲み取って答え、依頼されたことに対しても、より協力的な反応ができるよう気をつけています。
従業員たちの取材への協力という意味では、早い段階で広報メンバーがメディアに掲載されたことの影響は大きかったと思います。広報に対して否定的だった従業員たちに、最初から協力してもらうのは難しかったと思いますが、まずは広報チームにいるメンバーたちの情報を中心に発信し、それを取材・掲載につなげることができました。そして、その記事を見たほかの従業員たちが「良いな」と思ってくれたことが、社内の広報活動が動き出すひとつのターニングポイントになったんです。それ以来、従業員たちが広報活動に共感し、前向きに協力してくれるようになったと思います(岸様)

どのような企業に「広報PR」や「ネタもと」を勧めたいか
弊社のような「ニッチな業界の企業」には、ぜひPRに取り組んでもらいたいです。ネタもとのセミナーでもよく使われるフレーズですが、スティーブ・ジョブズの「どんなに素晴らしいものを作っても、知られていなければないのと同じ」という言葉は、本当にそうだと思っています。ニッチな業界で本当にいいものを作っている製造業の会社には、ぜひネタもとを紹介したいですね。
また、組織作りに悩んでいる中小企業や、事業承継のタイミングの会社などにも、広報活動は効果的だと思います(岸様)
私も同じで、まだ知られていない優れた技術を持った会社が、ネタもとの伴走支援を活用して広報に取り組むことで、どんどん世の中に知れ渡っていったらいいなと思っています(濱口様)
広報は広告と混同されがちですが、まったく違うものですよ。「世の中への発信」というと、CMなどをイメージされる方はまだまだ多いと思いますが、たとえばうちのようなものづくりの企業が高い広告費を払ってCMを打ったとしても、ビジネスに直結するかというと、決してそんなことはありません。僕らのような中小企業こそ、広告ではなく、自分たちで情報発信していく広報に取り組んだら、面白い効果が出ると思います。
広報のゴールは尽きません。地道な広報活動で確実に一歩一歩前進していますが、それでもまだまだやれることがたくさんあるな、といまは感じています(岸様)
今後のさらなる目標
弊社は現在、年商約10億ですが、私の代で年商50億円まで伸ばしたいと思っています。この業界の事業だけではそこまで売上を拡大できないことは見えているので、この目標に向かい、新たに5つの事業領域に乗り出していきたいと考えています。
この新たな事業展開への挑戦を何のためにやるかというと、「笑顔あふれる社会をつくる」という岸産業の志を実現するためです。5つの事業で50億円を考えたとき、従業員は200人ほど必要だと想定しています。そこに家族やお客様、協力業者様などを含めると、1,000人くらいの人々が関わることになります。1,000人というと、スタッフやチームというレベルではなく、もはやひとつの「社会」を形成することになると思います。
そこを「笑顔あふれる社会」にすることで、岸産業の志を達成したいと考えています。今よりもっとたくさんの人たちに当社に携わってもらい、売上を拡大できる土台作りも進めながら、ビジョンの実現へ向け、従業員たちとともに一歩一歩進んでいきます(岸様)
社長のビジョンを叶えるためには、従業員のみんなもそれに対しワクワクしながら取り組んでいけることが大事だと思っています。自信と誇りをもって楽しく仕事ができていれば、このビジョンは必ず実現できるはずです。
社長の描く未来をみんなと一緒に作っていけるような会社にしていけたらいいなと思っています(濱口様)
以上、今回は広報PRに取り組んだことで、社内のインナーブランディングや従業員エンゲージメントといった課題を解決し、社内のファン作りや採用力の向上、事業価値の発信といった成果を得た岸産業株式会社様にお話を伺いました。
従業員が自社の仕事に誇りを持てるようになり、家族やお客様への理解も深まったこと、応募者数や従業員数の増加、さらに社内イベントへの参加意欲の向上など、具体的な効果が広報活動を通じて生まれています。
社内の課題や組織づくり、事業価値の発信に悩む経営者の方は、岸産業様の事例を参考に、広報活動を通じて会社の価値を見える化し、従業員やステークホルダーとの関係をより強化していく取り組みを検討してみてください。
お忙しい中、取材にご協力いただきました、岸様、濱口様、貴重なお話をありがとうございました。
参考:岸産業株式会社 様:40名(2026年3月現在)
