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市場や景気に左右されず生き残れる会社を作ることが使命

市場や景気に左右されず生き残れる会社を作ることが使命

取引先は3000社以上の国内シェアトップメーカー
一方で、社内に漂う「閉塞感」に危機感を抱き
現状打破し新規顧客獲得のために「PR」を選択

取引先から贈呈されたロゴマークをもつ取締役社長田中様(右)/広報担当 西口様

1974年、自動車や精密機械産業、電気、溶接業界の要望に応えるために各種自動機の開発を主目的に創業。昨年、設立50周年を迎えた溶接事業国内トップシェアメーカー、新光機器株式会社

主力製品「溶接用電極」は、自動車や家電の製造に欠かせない消耗品であり、ニッチで競合他社が少ないことから安定して受注していると言います。このように絶えずニーズがあるB2B企業がなぜ「広報PR」に着手したのかー。

今回は、ネタもと導入から2年目となる、新光機器株式会社 取締役社長 田中 英樹 様、広報室 西口 綾乃 様に、広報に着手したきっかけや、広報活動で得られた成果など詳しくお聞きしました。

ネタもと導入前の課題や悩み

当社は昨年、設立50周年を迎えた溶接事業の国内トップシェアメーカーです。おかげさまで現在、取引先は3000社、国内の事業拠点26カ所(営業拠点19カ所、工場関連7カ所)を展開するなど、業界内である程度の評価や立ち位置は築いてきたと自負しています。

一方で、社全体に漂っている「閉塞感」にも気づいており、そこには危機感を抱いていました。コロナ渦以後は、売上も思うほど上がってきませんでしたし、高齢化・人手不足などの問題もありました。

当社の強みである商品開発は、お客様の声にお応えする形で良いものを開発できていたため、声をお聞きする機会が少なくなると、それに比例し、なかなか良いものができなくなっていました。そうした停滞は、社員一人ひとりのマインドの低下に起因するものだろうと見ていました。

組織改編など、体制の見直しにも繰り返し取り組んできましたが、状況の打開にはつながりませんでした。そのうち組織改編すること自体が慣例化してしまい、「またやっている」というマンネリに陥っていきました。このままではいけない、何か趣を変えたことをやっていかなければならない、と考えていました(田中様)

ネタもと導入前の「広報PR活動」状況

ネタもと契約前年に広報室を新設していましたが、それまでは一切、広報活動はやっていませんでしたし、広報体制もありませんでした。情報発信は自社ホームページがあるくらいで、新聞広告を打ったり、業界紙へ投稿したりすることは数回ありましたが、いずれも単発のものでした。

唯一、自社ホームページで継続発信してきた「溶接技術だより」という連載があり、それが社内の「最強コンテンツ」と呼ばれていました。溶接技術に関する専門知識をまとめたもので、お客様や同業者には好評だったのですが、難しい言葉や専門用語が多く、一般の方にはわかりづらい内容でした。

当社は、商品をベースにお客様の信頼を得て実績を重ねてきた経緯があるので、「人と商品が広告塔」と勝手に思ってきた部分があったと思います。

また、社内交流やイベントなども、近年は以前に比べ減ってきていたと思います。社内向けの社長メッセージは、従来、期初と年始の年2回出していましたが、私が社長に就任した後は、毎月月末にも出すようにしました。

それは、経営者になる前、私自身が、「もっと情報をオープンにすればいい」と、会社に対し思っていたからです。そうでないと、会社が一体何を考えているのか、社員には伝わりにくいと思っていました。そして2022年春に広報室を新設し、広報として採用した西口を配属しました(田中様)

入社時に「新設する広報室に配属する」とは聞いていましたが、会社のことも、広報のこともまったくわからない状態でした。1年目は本当にひとりぼっちの広報で、辛かったです。

入社時に渡されたリストに書いてあった業務内容は、HP運用、カタログ・チラシ作成、動画制作などが中心で、今思うと、広報というよりは「広告」に近い内容だったと思います(西口様)

工場内で広報用に動画の撮影をおこなう西口さん

広報PR活動を重視するに至った理由

ここ数年、経営者仲間のなかで、「これからは自社のことを積極的に世の中に伝えていかなきゃならないよね」といった話を耳にすることがありました。私はかつて大日本印刷で働いていたこともあり「メディアとの接点を持つことで、より幅広い層の方々に自社の強みを知ってもらう道は拓けるだろう」というイメージは持っていました。

経営者となった今も、現役の営業マンとして日々現場に足を運んでいますが、当社には、まだ世の中に知られていない魅力が数えきれないほどあるということを、身をもって感じてきました。例えば、お客様の困りごとやお客様の声に誠実に寄り添って開発した商品にハズレはありません。そこには自分の経験値に基づく自信があります。

当社の商品は消耗品なので、一度ご注文をいただければ継続受注していくことができます。しかし、コロナ渦以降は、売上がいまひとつ上がってこない時期がありました。その原因は、新規開拓ができていないということであり、そこに社員のマインド低下が関係していると見ていました。

お客様の声やニーズを反映していない、何となく自分たちが作りたくて作ったようなものは、ヒットしないんですね。情報発信を通じてもっと幅広い人たちと接点を持ち、お客様のご意見をもらえるようになれば、それは開発にも生きるのではないか、と思っていました。

こうした背景から、自社のことを広く社会へ向け情報発信していく必要があると考え、広報室の新設に動いたんです(田中様)

ネタもとを選んだ理由

ネタもとからの提案電話がきっかけでしたが、それが絶好のタイミングでした。2022年春から広報室を新設し、西口を配属したものの、私自身が「広報」というものをよく理解していないところがあり、手探りの状態が続いていました。

そのような中でも、西口は若い世代の感覚を活かして色々とアイディアを出してくれ、当社オリジナルキャラクター「きゃっぱくん」の制作にも動きだしていました。それから2~3カ月後ぐらいのタイミングで、ネタもとから提案の電話があったんです。私としても業界紙へ特集を組んでもらえないか売り込んでいたような時期でした。

プロの広報トレーナーがついてくれれば、西口が抱えている疑問や不安が解消されると思いましたし、社全体としても広報のノウハウを得られるということは、プラスになると思いました一からしっかり教えてもらい、自社で情報発信ができるようになれば、世の中に出られるチャンスが広がると思いました(田中様)

広報1年目はすべてが初めてで、本当に不安しかなかったのですが、遠隔(オンライン)でプロの広報トレーナーの方に教えてもらうということにも不安がありました。広報の基礎知識はゼロですし、お聞きする用語もわからないものばかりで、はじめは「ついていけるのかな」と心配でした(西口様)

広報PR活動で取り組んだこと・工夫したこと

一番はじめに広報トレーナーにやるように言われたことは「自社のことを徹底的に知ること」でした。どんな商品があり、どんな社員がいるか、他社と比べて独自な点、強みは何なのかを知り、それをいろいろな面から見つめ直すことが大事だと言われました。かつ、それを時事・社会問題に絡めてどうアピールするかがポイントだと教えていただきました。

言われた通りに情報収集を始め、最近の商品だけでなく、昔から売れているロングセラーなどにも注目するようにしました。集めた情報は、広報室に持ち帰り、さまざまな観点からニュース性のある情報に変換していこうと意識しました。

広報活動を進めていくうち、広報トレーナーのアドバイスがいかに的確なのかを実感でき、「言われたことをやっていれば間違いない」と思い、ついていきました(西口様)

私は社内に西口の味方を増やすことが必要だと思い、各部署との橋渡しのきっかけ作り、声がけするようにしました(田中様)

他部署の社員とも積極的にコミュニケーションをとる西口さん

「メディアとの接点」における成果

以前はメディアとの接点もメディアリストもまったくありませんでした。ネタもと契約後は、5媒体に記事が掲載されましたが、いずれも、メディアが求める内容に情報を提供する、ネタもとの「リサーチ」経由です。ネタもとのリサーチ機能は、本当におすすめです。

広報トレーナーから、「まずは社名を知ってもらうためにもエントリー数を増やすことが大事」とのアドバイスをもらい、リサーチ内の質問項目が少しでも自社にかすっているようなものは、片っ端から「エントリー」していきました。

あらかじめ自社内の大枠の情報をまとめておけば、そこから引用して質問に回答していくことができるので、メディア掲載への一番の近道ではないかと思います。

また、ネタもとが開催しているオンラインでメディアと直接交流ができる「メディア交流会」にも参加しました。オンラインでも独特の緊張感があり、自社よりも媒体にマッチした内容をプレゼンされている他社広報様を見た時などは、少し肩身が狭いような気持ちにもなりました。

当日まで毎日台本作りに励み、社長との打ち合わせを重ね、多くのメディアの方々とお話することができました。準備する過程や、他社広報の方の様子を見ることも、とても勉強になります(西口様)

リサーチ経由でご縁をいただいた媒体に、まさに今日(2025年1月10日の取材当日)、当社の実施したM&Aの記事が掲載となりました。メディアと接点がまったくないところからのスタートでしたし、リサーチやエントリーがなければこの記事掲載はなかったと思うので、とても感謝しています。

メディア交流会に関しては、BtoB企業ということもあり、なかなかピンポイントで興味を持っていただくのは難しい面もあるのですが、自社で制作したオリジナル資料を見ていただくなど工夫をしています。他社様のアピールされる姿を見ることも学びになりますね。

また、メディアに取材いただいた際は必ず次につながる情報提供をするよう心がけています。その回の取材のテーマとは違っても、時代の流れや社会課題解決につながるようなことがあれば積極的にお話するようにしています(田中様)

「PRのノウハウ」における成果

プレスリリースなどの報道資料も、それまで書いたことはありませんでしたが、広報トレーナーのアドバイスを受けて、今では自分で書けるようになりました。プレスリリースやリサーチへのリクエストを書くときは、とにかく情報の独自性を意識しています。「その会社にしかないものは、その会社を取り上げなければ世に出ないので、その点を見つけ出しアピールすることが大事」と、広報トレーナーに教えてもらったからです。

はじめは「そんなものはうちの会社にはない」と思っていたのですが、こうしたニッチな業界で新しい商品を開発し続けていること自体が「独自性」だということに気がつきました。

それからは、「当たり前」だと思っていた商品や社風、自社の文化なども、一から見直して、どんなふうに社会問題と結びつければニュース性のある情報になるかを考えています。今でも広報トレーナーが代行作成してくれたリリースをお手本として傍らにおいて、報道資料を書いています(西口様)

はじめの頃、私も自分でプレスリリースを書いてみました。自信満々だったのですが、広報トレーナーから戻ってきた原稿は、真っ赤に添削されていました(笑) 商品開発のことはすべてわかっているつもりでしたが、情報発信する上では、それをいかに社会課題とかみ合わせていくかが大事だということがわかりました(田中様)

「ヒト(広報担当)育成」における成果

私自身がPRの本質を学ぶうち、社員への「伝え方」や「見せ方」といったことを意識するようになりました。例えば、社員に問いかけるときやメッセージを出すときにも、「目的は何か」を常に自問し明確化して伝えるよう変化したと思います。

西口は、広報トレーナーの協力を得ながら社内では味方を増やし、関係性も深めて、本当によくやってくれていると思います。私がやったのは体制づくりのバックアップくらいです。SNSの運用やオリジナルキャラクターの制作などもすべて任せてきました。

以前の西口は、物事を始める際、否定から入るところがありましたが、広報活動を始めてから、そこが大きく変わったと思います。色々なことに前向きに挑戦する西口の様子から、意識変革が起こったのかなと感じています。

一方で、社全体としてのマインド向上という観点では、まだまだここからだと思っています。ただ、広報活動を通じて社内外に発信した情報は、確実に社員全員の目に入っていますから、これから社員一人ひとりへの変化が見えてくるはずだと思っています(田中様)

はじめは正直、社長から「社内に味方を作りなさい」と言われても、ピンときていませんでした。「味方と言っても、同じ部署でもないし・・・」と思っていたんです。でも、広報活動を進めプレスリリースを発信できるようになってからは、社内の方々の協力がなければ成り立たないんだということが、よくわかりました。

私ひとりが動いても、何もできないんです。社長が各部署の方々に「手伝ってやってよ」と言ってくれるのは心強かったですし、今では自分から社長に「事前にお声がけ、お願いします」などと言うこともあります(笑)

今は「ひとり広報だけど、ひとりじゃない」という気持ちです。広報活動を経験して「やってみて損なことってないんだな」とも思えるようになりました(西口様)

ネタもと独自の「PR活動診断」

ネタもとでは、定期的に独自の「PR活動診断」を実施し、お客様の「自走化状況」を可視化・数値化することで、成果が見えづらい広報活動の「効果検証」を可能にし、自走化実現までの道のりをしっかりとサポートしています。

初回結果「9.5点」
直近「64.5点」

これまでに掲載された主な媒体名

・中部経済新聞(6記事)
・日刊工業新聞(3記事)
・PHP
・銅誌
・日本物流新聞
・リビング小学生新聞

掲載されるために工夫したこと

リサーチでもプレスリリースでも、メディア向けに情報提供をする際には、必ず「数字」と「話題のワード」を入れるようにしています。メディアの方のもとにはたくさんのプレスリリースが送られてくるので、タイトルで惹きつけられなければ、本文まで読んでもらえない可能性があるからです。このことは、ネタもとのオンラインメディアセミナーで、講師の方々のお話から学びました。

そこで、情報を裏付ける数字をタイトルの中に入れ、すぐに目にとめてもらえるよう意識しています。また、今社会でトレンドとなっているワードを普段から検索して、自社の情報と紐づけてタイトルに盛り込んでいます。

また、メディアの方々への連絡はなるべく早く返信することを心がけています。そうすることで、取材対象としての自社に、安心感を持ってもらいたいと思っています。メディアから取材を受けた後もすぐに連絡をとることで、継続的なお付き合いにつなげていけるようにしています。

一度社長から「取材に来ていただいた記者の方を最寄り駅まで車でお送りしてみては」というアドバイスがあったので実践していますが、その時間がメディアの方との大切なコミュニケーションの場となっています。取材とは別に、ほぐれた雰囲気のなか1対1でお話することで、記者の方とさらに良い関係づくりができるよう意識しています(西口様)

どのような企業に「ネタもと」を勧めたいか

はっきり言うと「すべての企業がやるべき」だと思います。それぞれの会社が「広報」の意義をどう捉えるかによって結果は違ってくると思いますが、社員全体の教育にもつながり、社内文化の変化ももたらすものだと、私は思います。

当社では、プレスリリースや掲載記事をコーポレートサイトに掲載しています。外部の方に見てもらうのももちろんですが、自社のサイトに掲載すれば、社員が全員見るからです。自社の強みが書かれたプレスリリースや掲載記事を目にするうち、社員たちの意識は少しずつでも、必ず変わっていくはずです。私自身も経営者仲間と「広報活動は大事だよね」という話をすることもしばしばです。

ある時、社員が出先で、うちのプレスリリースや記事を見たライバル会社の社員から声をかけられたそうなんです。その時、相手の方は「うちもこういうことをやりたいんだけど、そういう社風じゃないんだよね」と言っていたと聞きました。そのような会社でも、おそらく何か新しいことをやりたい、何かを変えてみたいと考えていらっしゃるはずだと思います。

ネタもとを利用すれば、トレーナーの伴走があるので、広報の経験や知識ゼロのところからスタートしても一から教えてもらえますし、そうしたノウハウを自社内に蓄積しながら、広報の「自走化」を実現していくことができます。まだ広報に取り組んでいない企業の方々には、ぜひおすすめしたいと思います(田中様)

今後のさらなる目標

当社は2024年5月11日に創立50周年を迎え、次の50年、100年企業を目指し走り出しました。しかし、業界全体の先行きは、決して芳しいわけではありません。

今年の賀詞交歓会では、メインの取引先の社長から「現状維持でも、この仕事自体はなくならないだろう。しかし、何も変えずにやっていたら、会社は潰れるよ」と言われました。もちろん社内でも、同じような話はよく出ています。

この先も会社が発展していくためには、やはり攻めていかなければなりません。しかし、攻めっぱなしではすぐに倒れてしまいます。攻めながら、倒れないように再編していく。その繰り返しの先に、100年企業が見えてくると思います。

具体的な施策としてまず、5月の期初めに中期計画を立てることを予定しています。市場や景気に左右されずに生き残れる会社をつくっていくことが、私の使命です(田中様)

広報担当としての次の目標は、まだ露出していないテレビやラジオにも取り上げてもらうことです。今後も積極的な情報発信を通じ、当社の強みや魅力をより多くの人たちに知ってもらいたいと思っています(西口様)

メイン工場で作業を行う社員の皆さん

取引先は3000社以上、ニッチな領域のため安定した受注がある国内シェアトップメーカーでありながら、なぜこのタイミングで「広報PRの自走化」へと舵を切ったのか。その理由として、社内に漂う「閉塞感」を打破して新規顧客を開拓することや、まだまだ世の中に知られていない自社の魅力を伝えるための手段として選んだということでした。

今回の事例のように、B2B企業においては、自社ならではの強みや魅力があることに気づいておらず、自分たちでは「当たり前」と思い情報発信していない企業が多く存在します。本当に勿体ないことです。

ぜひ、今回の新光機器株式会社様の成功事例を参考に、全ての企業が自社の強みや魅力を、最も信頼性の高いメディアを介して拡げてもらえたらと思います。

お忙しい中、快くインタビューにご協力くださった田中様、西口様、ありがとうございました。

参考:新光機器株式会社様:147名(パート・アルバイト含む、2025年1月現在)


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