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採用の課題は企業にとって死活問題

採用の課題は企業にとって死活問題

建築・土木を専門に学んだ”新卒者”の争奪戦は一層激化
外注への委託は、単発の情報発信・メディア掲載で終わるため
採用課題を根本解決するために「広報の自走化」を選択

代表取締役 巴山 一済(ともやま・かずよし) 様

東京・多摩地区の中小企業で唯一、「測量から橋梁工事ができる」地域密着型建設事業を展開し、創業70年を超える建設会社、巴山建設株式会社

「建築・土木の新しい文化を創造する」という事業コンセプトを掲げ、中⼩企業ではまだ数少ない、ドローンや3Dプリンターなど、最新のICT技術を積極的に取り入れた『ICT施工』に取り組むなど、さらなる技術力と労働生産性の向上につなげています。

今回は、ネタもと利用開始からちょうど1年を迎えた、巴山建設株式会社 代表取締役社長 巴山 一済 様、取締役 巴山周子 様、総務部 渡口 美紗子 様に、広報PRに取り組んだ経緯や成果について詳しくお聞きしました。

ネタもと導入前の課題や悩み

最大の経営課題はリクルーティングでした。昨今は業種を問わず大変な採用難ですが、建設業では特に、技術者の高齢化が深刻化しています。

建築分野は比較的応募者が多いのですが、土木に関しては、人材育成の場となる学校自体が大幅に減少していて、東京都でみると、建築を学べる大学は100校を超えているのに対し、土木系はわずか20校程度と、専門的な知識・技術を持つ若者の絶対数が減ってしまっています。

また、人材不足に拍車がかかる中で建設業界、特に土木業においては、企業側が一度入社した正社員をなかなか手放さないため、経験者採用に期待することが難しく、建築・土木を専門に学んだ新卒者の争奪戦は、いっそう激しさを増しています。

弊社も学校訪問をし、先生に学生向けの現場体験学習を提案し開催するなど、地道な周知活動を行っていましたが、学生に体験してもらえる業務も限定されているので、そうした工夫も「できる範囲で」という感じに留まっていました。

採用活動において、自社の魅力をいかに発信していくかは長年の検討課題だったのですが、社内の人手不足もあり、採用にかかわる内勤と現場との意思疎通もなかなか取れないまま、具体的な施策を打ち出せずにいました(巴山一済様)

ネタもと導入前の「広報PR活動」状

ネタもとを利用するまでは、社内に広報体制はなく、広報活動の経験も、広報に関する知識やノウハウもありませんでした。

個人的には、YouTubeチャンネルを開設したり、他社のホームページを見て参考にしたりと、見よう見まねで情報発信を試みていましたが、なかなか思うような効果は得られず、実質、若者に知ってもらうルートは学校の先生とのつながりしかありませんでした。

建設業界の新卒採用では、名の知られた大企業に応募が集中する傾向が強く、我々のような中小企業は、大手とは違う採用方法でいかに差別化を図るかが勝負です。

例えば当社の場合、転勤がないことや、大手に比べ残業が少ないこと、東京近辺の仕事が中心といったメリットがありますが、それでもやはり、親御さんやご家族なども含め、大手の安定感やネームバリューのほうに関心が向きがちです。

そのような状況の中「この会社だからこそ選びたい」と思ってもらうため、若者たちに向け広く情報発信をし、大手に負けない当社の魅力知ってもらいたいと考えていました(巴山一済様)

広報PR活動を重視するに至った理由

実は私自身、ネタもとと契約する10年以上前から、広報には関心を持ち続けていました。2011年の東日本大震災以降、業界内にまったく人が入ってこなくなっていたからです。

学生や親御さんたちに当社のことを知ってもらうためにはどういう方法が一番いいのかということは常に考えており、そのための手段として、広報はずっと念頭にありました。ただ、社内にノウハウを持った人もいなければ、情報ツールもなく、人手にも余裕がありませんでした。

しかし、採用の課題は企業にとって死活問題なので、いつまでも手をこまねいてはいられず、何か策を講じなければと、2021年に私が社長に就任したこともあり「やるしかない」と広報活動をスタートさせました。

当時は相変わらず内勤の人繰りも厳しく、社員たちには負担をかけることになると思いましたが、とにかくみんなで力を合わせてやっていこうという思いでした。

建設業界内ではある程度の認知を確立できているため、営業面を目的とした情報発信というより、採用一点集中で広報に取り組もうと考えていました(巴山一済様)

ネタもとを選んだ理由

ネタもとと契約する以前、いくつかのPR会社に広報業務を委託したこともありました。
ただ、委託だと単発の情報発信やメディア掲載に終わっていました。

そのような中、ネタもとを選んだのは、ネタもとの提案が、広報活動を自走化させていくプランだったからです。

長いスパンで、自社内にしっかりとした体制やノウハウを蓄積していくことは、とても重要だと感じ、ネタもとは最終的に自分たちで広報活動を運営していけるような体制作りをサポートしてくれるという点が魅力的でした。

実際にネタもとの広報トレーナーたちは、体制作りだけでなく、当社の事業や社風、会社の強みや魅力について詳しくヒアリングをしてくれ「ここはもっとこうしたほうがいい」とか「こんなことに取り組んだほうがいい」といったアドバイスをたくさんくれますが、社員と同じくらいの視点で「どうやった良いか。

自分が広報担当だったら、どうやって広報活動を進めていくか」を考え、それをどう進めていくか、社員ができるように並走して教えてくれる点も他のPR会社では感じなかったところで、信頼して任せられる会社だと感じました(巴山一済様)

広報PR活動で取り組んだこと・工夫したこと

広報と他部署との調整を図り、情報共有を密にすることを心がけました。これは、全体に関わることができる私か、もう一人の役員しかできないことだと思ったからです。

具体的には、もともと広報部がなかったので、広報で取り組んでいることをその都度社内で共有することで広報の役割について知ってもらい、社員たちが部署を超えて意思疎通できるような環境作りを意識しています。

工事の部署の会議に広報部員を呼んだり、毎週定例の広報会議にこれまで呼んだことのなかったさまざまな部署のメンバーを呼んだりして、コミュニケーションの活性化を図っています。

また、ネタもとの広報トレーナーから提案を受けて、女性活躍を推進する企業・団体を表彰する東京都の「女性活躍推進大賞」に応募し、2024年度の特別賞を受賞しました。エントリーに際しては、広報部が中心となり、当社の取り組みを一生懸命まとめてくれました。

建設業界は、歴史的に男性優位が続いてきた業界です。しかし、人手不足も深刻な今、そうした状況から脱却し男女関係なく優秀な人材を起用していくことが、業界の持続的な発展のためにも不可欠です。
現場に女性がいることによりさまざまな相乗効果が生まれ、若い人たちにとっても働きやすい環境ができていきます。

広報活動をきっかけにいただいた賞を弾みに、今後も女性が活躍できる職場作りを進めていきたいと思います(巴山一済様)

学生向けの現場体験学習で、仕事の魅力を伝える社員の方

導入時の課題解決の状況

先日、派遣社員として約半年間働いていた20代前半の女性が、正社員になりました。本人が優秀だったということはもちろんですが、広報部が女性活躍をはじめとするさまざまな取り組みを進め、現場もそれを理解し魅力ある職場作りに協力しているからこそ、「ここで働きたい」と感じてもらえたのだと思います。採用を目的として始めた広報活動が、結果として会社に与えた好影響は、相当大きいと感じています(巴山一済様)

広報活動の中でさまざまな情報を整理したことで、採用活動においても、会社の取り組みをしっかり言語化できるようになりました。学生に対する説明がしやすくなり、伝えられる情報も増えています(渡口様)

「若い人が多いですね」「女性が活躍していていいですね」といった反応もあり、学生さんも、広報で打ち出している情報から当社の良さを感じ取ってくれていることを感じています(巴山周子様)

「メディアとの接点」における成果

現在では、過去の掲載記事を見た別の媒体から取材のお問い合わせをいただくなど、報道の連鎖、波及効果も起こっています。メディアリストも200件ほどに増え、日常的にやり取りするリレーションメディアも増えています。

以前も、テレビ番組のロケ出演やタイアップ番組出演などの問い合わせをいただくことが何度かあり、そうした機会からメディアと接点を持ったことはありましたが、それらはあくまで、メディアの方から持ちかけられた企画に応じるもので、自分たちから主体的に「伝えたい」「知ってほしい」と思う情報を届ける、という経験はありませんでした。

ネタもとを利用してからは、メディアから「こんな情報ないですか?」というテーマがサイト上に表示され、そこに情報を入力することで、メディアに情報を提供する「リサーチ」や直接メディアと交流できる「メディア交流会」、プレスリリース配信を通じた取材・掲載獲得など、自分たちで計画・発案した広報活動を起点として、メディアとの接点を得られるようになりました。

ただ、最初は「リサーチ」も毎日、沢山届くので、そのリサーチのテーマの中から、「これ、うちにピッタリだ。このネタでエントリーしよう」というものを選び、どのような情報を提供するのかを決めることも大変でした。

直接メディアの顔が見えない状態で、相手が何を知りたいのか、何を伝えればいいのかということを読み解き「この切り口でエントリーできる」という判断をすることに苦労しました。

そのような状況の中、定期ミーティングで広報トレーナーから「このリサーチにこの話題でエントリーしてみたらよいと思う」という提案を受け、「社外の人から見ると、この取り組みのこの部分が面白く見えるのか」という小さな発見を積み重ねていき、自社の取組みのオリジナルな部分や強みを認識できるようになりました(渡口様)

「PRのノウハウ」における成果

広報活動を始める前は、自分たちからメディアへ向けて情報発信をするための知見が社内になく、プレスリリースの作り方や発信方法など、何もわからない状況でした。ネタもとの利用を開始し、担当の広報トレーナーに、社内で行っているさまざまな取り組みについてお話すると、一つひとつの事柄を丁寧に、伝わりやすい表現へと言語化する方法を教えてもらいました。

それにより、会社の強みや特徴をしっかりと文章化できたことはもちろんですが、社員である私たち自身が、自社の強みを改めて知ることができたと思います(巴山周子様)

情報発信を続けていく中で、メディアに自社が伝えたいと思う情報だけでなく業界の課題や社会問題などの周辺情報も交えて、相手に理解しやすく共感いただけるように伝える工夫が重要だとわかりました。

普段はどうしても業界関係者との「プロ同士の会話」になるので、建設業の課題や、土木工事の基本的な知識などいわゆる業界の共通言語的な部分をわかりやすく伝える経験がなかったのですが、世の中の困りごとや調査データなどと紐づけて、どうしたら相手に関心を持ってもらえるかに意識を払うようにしました。

また、可能なかぎり具体的な情報や写真を用意するように心がけ、普段から写真や記録を取っておくなどいつでも対応できるよう準備しています。情報発信の実務と並行し、ネタもとサイト内の動画コンテンツ「オンライン講座」を視聴し、広報に関する知識を一から学んでいきました。

実際にやってみる前は動画を見るだけでは理解できなかったことも、プレスリリースの作成や「リサーチ」にエントリーする情報を作成するといった実務の中で「そういうことか」と腑に落ち、理解が深まりました。

講座で得た知識を広報実務へと落とし込んで実践したことで、自分たちの力をつけていけたと思います。取材対応なども、回を重ねる中で、新たに生まれた疑問や不安などを広報トレーナーに質問して教えてもらうことで一つひとつ解消していくことができ、メディアとのやりとりにも余裕が生まれてきました(渡口様)

「ヒト(広報担当)育成」における成果

広報活動を始めて以来、社員発のアイデアがたくさん出るようになりました。広報トレーナーから指導を受けたことで、ノウハウや、ネタの切り口など、やり方がわかってきたんだと思います。新たな取り組みもスタートしていて、広報トレーナーと相談して2025年4月に初めて社内報を発行し、新入社員の親御さんのもとへも郵送しました。

社内報を通じて会社のことをより知ってもらい、親御さんに安心していただきたいと思っています。今後は、内定者のみなさんと入社までの間、密にコンタクトを取っていきたいと考えており、そのひとつとして社内報を送ることも予定しています。

また、広報に対して、社員の理解が深まってきていると感じています。広報チームメンバーはもちろんのこと、インタビューに応じてくれた社員や、メディアからの追加質問に答えるために協力してくれた従業員など、1つ1つの活動で広報活動に巻き込んでいった社員を核として、会社全体の広報力が育ってきていると感じています。

そして、当社は今年の1月に「令和6年度東京都女性活躍推進大賞」の特別賞を受賞しました。このような目立つ成果を得たり、メディアからの取材をいただいたりする中で、従業員たちにも「注目いただいたからには取組みを進化させていかなくては」といった「見られている意識」が芽生えています。

そうした意識から、会社をより良くしていこうという発言・行動も見られるようになるなど、広報活動は会社の人材育成につながっています(巴山周子様)

部署を超えて意思疎通できるよう、工事の部署の会議に広報メンバーが参加

ネタもと独自の「PR活動診断」

ネタもとでは、定期的に独自の「PR活動診断」を実施し、お客様の「自走化状況」を可視化・数値化することで、成果が見えづらい広報活動の「効果検証」を可能にし、自走化実現までの道のりをしっかりとサポートしています。

初回結果「8点」
直近「34点」

これまでに掲載された主な媒体名

・社長名鑑
・ITのチカラ
・THE OWNER
・Yahoo!ニュース
・調布経済新聞
・読売中高生新聞
・ツギノジダイ
・日本物流新聞
・社長の履歴書
・月刊「事業構想」

掲載されるために工夫したこと

まず1つ目は、媒体の特性や読者層を意識することです。建設業界紙以外のメディアへ情報提供する場合には、前提となる建設業の状況や社会背景などを理解しやすいよう、より丁寧にお伝えするようにしています。

また、情報発信をする際には「読者が誰なのか」や、「媒体が欲しい情報はどんなことなのか」を想像して、伝え方や表現を工夫するようにしています。

2つ目はメディアの方とのコミュニケーションの取り方や対応を意識しました。相手の記者やメディアにも興味をもち、「この人はどんなことに関心があるのか」「どんな読者さんのために記事を書いているのか」など想像しながらコミュニケーションするようになったことで、取材時にも会話が生まれやすくなり、自社の魅力を引き出していただくことも増え、ありがたく感じています。

また、取材の際には、写真の提供や実際の機器や建設現場の見学など、可能な限りご要望にお応えできるようにしたり、誰にインタビューしたいのかなど、取材対象者のアサインについても、できる限り調整できるよう対応しています(渡口様)

どのような企業に「ネタもと」を勧めたいか

人材不足に悩んでいる企業には、ぜひ広報活動、PRに取り組んでもらいたいと思います。私たちのような男性社会と言われる会社にもおすすめしたいですね。

女性活躍推進大賞特別賞をいただいたことで、知り合いの社長から「どんなふうに取り組んだの。教えて」と声をかけられたことがあります。その会社も非常に男性が多い職場で、どうしたら女性が働きやすくなるのか、頭を悩ませているようでした。

建設業界にいる企業には当然、PRやネタもとの利用を勧めたいです。業界全体の課題である人手不足もそうですが、時代に合わせての変化が求められていても歴史があり過去のやり方が根深い業界ほど、何から取り組んだらよいか、悩んでいる会社は多いと思います。

当社の場合、本当にみんな仕事が忙しい中、社員同士で協力し合って、なんとか広報を立ち上げました。他の業務と兼務での広報活動は大変なことも多いですが、だからこそ一致団結していけたというところもあります。

そういう意味でも、本当にやってよかったと感じていますし「うちはまだ広報なんて」と思われている企業の方々にも、ぜひ挑戦していただきたいと思います。仕事も、最初は何の取引もないところからのスタートですが、何もないところから、どう自社をアピールしていくかという点は、経営も広報PRも同じだと感じます。

人手の足りないところからスタートした広報活動でしたが、活動の成果が着実に積み重なってきたので、今後は広報に携わる総務、人事などの内勤者を少しずつ増やし、より活動を強化していきたいとも考えています(巴山一済様)

今後のさらなる目標

当社は公共工事をメインにしており、2024年10月に立ち上げた「建築部」も2025年7月から本格的にスタートします。より一層建築・土木で皆様の暮らしや生活を守るということに注力していきたいと思っています。

今後は「建築×スポーツ」「建築×日本文化・歴史」などのように、さまざまな分野とつながり、それを建設業界にうまく還元できるような取り組みができたらとも構想しています。そこではまさに、ネタもとで培った広報活動が非常に活きてくると思います。

事業面では、今後5年ほどの間で、大型案件が多数控えています。売上高は現在約35~40億円ですが、予定されている入札案件や実績を考慮すると、5年後には50億円程度まで成長する見込みです。建設業界ではやはり、規模大きく、やりがいのある工事を受注することが、利益や売上につながっていきます。そのために、今後もさらに会社をアピールし、人材の確保に注力していきたいと思っています。

私たちが大都市の東京で行っている工事は、道路をつくったり、再開発を行ったりと、大きな「モノづくり」の連続ですが、エリアに特化していることで、その地域に対して「自分の部屋」を作っている感覚になるような、とても夢のある仕事です。

若者たちには、自分たちが生活する町を自分たちで作っている、そこで自分たちが生きているという、この仕事の魅力を肌で感じてもらいたいなと思っています。そしてこれからも、広報活動を通じて、若者の心に響くメッセージを発信し続けていきたいと思います(巴山一済様)

広報PRという手段は、単に話題を生むためのものではなく、企業の信頼を積み上げ、事業の根幹に関わる課題を解決する力を持っています。今回の企業様が取り組んだように、自社内に広報のノウハウを蓄積し、継続的に発信を行うことで、社内外の意識が変わり、組織は確実に前進していきます。

今、多くの企業が採用難の厳しい環境の中で変化を迫られています。だからこそ、広報という視点を経営に取り入れ、自らの価値を社会に伝え続けることが、生き残りの鍵となるのではないでしょうか。

お忙しい中、快くインタビューにご協力くださった、巴山 一済 様、巴山周子 様、渡口 様、本当にありがとうございました。

参考:巴山建設株式会社 様:70名(2025年5月現在)


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