こんにちは。株式会社ネタもと PRプロデュース部です。
本コンテンツでは、広報担当者の「業務のヒント」となる情報をご紹介します。
魅力的な情報が詰まった報道資料を作成しても、記者の目に留まらなければ、メディアで取り上げられることはありません。プレスリリースを発信して終わり、ではなく、時勢やターゲットを見極めて、積極的にメディアへ届ける努力が必要です。
また、「誰にどのように情報を届けたいか」という経営戦略を広報がどれだけ理解しているかによって、ターゲット媒体や情報発信の切り口も変わります。
そこで今回は、経営戦略と社会のニーズから考えるメディア選定とアプローチのポイントについてご紹介します。
ターゲットメディアの選定を経営戦略から考える
メディア掲載は、認知度を高め、ファンづくりを加速させるための重要な経営戦略のひとつです。経営者は「どの媒体に取り上げられれば、どの層にリーチできるか」といった、情報発信がもたらす経営への影響を考慮し、伝えたい相手を明確に想定したうえで、アプローチすべき媒体の選定に積極的に関わっていきましょう。
ターゲットとする媒体を選定するには、まず自社の情報が社会の中でどのように位置づけられるかを明確にする必要があります。どれほど画期的な商品・サービスや魅力的な情報であっても、それが時代や社会のニーズと合致していなければ、メディアに取り上げられることは難しいからです。
世の中のニーズを把握するためには、ニュースやSNSなどから日常的に情報を収集することが不可欠です。報道の切り口は媒体ごとに異なるため、それぞれの特性を把握し、気になった記事を保存するなどして、常に情報へのアンテナを高く保っておくことが重要です。
ターゲットメディアのニーズに合う情報、素材を提供しているか
メディアアプローチ成功のカギは、各媒体やコーナーの特性を深く理解し、その特性に合わせた切り口で情報を提供することです。同じニュースでも、メディアごとに求める視点は大きく異なります。
たとえば、ワイドショーでは視聴者の日常に関連づけた親しみやすい内容が好まれるのに対し、ニュース番組では、簡潔な事実報道が重視されます。
経済を扱うコーナーでは業界への影響や市場動向との関連性、社会面では生活者への影響や社会的意義などの情報が必要とされます。媒体それぞれのコーナーの特性を把握し、切り口を変えたアプローチをすることが大切です。
また、媒体により、求める情報素材も異なります。新聞社向けには詳細な背景資料と専門家のコメント、テレビ向けには魅力的な視覚素材、ウェブメディアにはSNSでの展開を見据えた補足情報を加えるなど、媒体の特性ごとに情報を最適化すると、効果的なアプローチができるでしょう。
各メディアの「求めるストーリー」を理解し、それに沿った情報を提供することにより、メディアの取材意欲をより高めることができます。受け手のニーズに合わせて、さまざまな切り口から情報をカスタマイズし、アプローチの幅を広げていきましょう。
効果的なメディアアプローチのポイント
ターゲットメディアが決まったら、次は情報をどう届けるかです。メディアアプローチの具体的な方法としては、報道資料の送付、記者クラブでの配布、メディアへの直接訪問などがあります。
郵送やFAX、メールで資料を送付する際には、見てもらえる可能性を高めるために、担当者名やコーナー名を明記しましょう。また、情報の内容やニュース価値がひと目で伝わるよう、簡潔で魅力的なタイトルを記載するなど、担当者の目を引く工夫が必要です。
メディアを直接訪問する場合は、必ず事前にアポイントを取りましょう。訪問前には、訪問先メディアの特徴や、記者が過去に書いた記事、担当しているコーナーの内容などを十分に調べておくことが重要です。
メディアの興味を引きつけるためには、提供する情報のニュースバリューを高める必要があります。メディアアプローチの際には、自社の情報が持つ時事性、社会動向との関連性、独自性をしっかりと伝えることが重要です。トレンドとの結びつきや業界内のデータ、独自の調査結果などを盛り込むことで、自社情報のニュース価値を効果的にアピールしましょう。
また、定期的な報道資料の送付に加えて、自社の専門分野に特化したメディア向け勉強会の開催や、工場・社屋などで商品・サービスや事業内容を実際に見てもらう「プレスツアー」の実施といったアプローチも有効です。 こうした企画は、自社の取り組みをより深く理解してもらえるだけでなく、記者との信頼関係の構築にもつながります。
以上、今回は「経営戦略と社会のニーズから考えるメディア選定とアプローチのポイント」についてご紹介しました。
戦略的なメディアアプローチは、自社のメッセージを社会に浸透させるための重要な経営戦略のひとつです。世の中のニーズを反映させた切り口で、各媒体の特性に沿ったアプローチを展開し、自社のファンづくりを加速させていきましょう。