
こんにちは。株式会社ネタもと PRプロデュース部です。
本コンテンツでは、会社のファンづくりに欠かせない「コーポレートPR」の情報発信のコツをお伝えします。
今回のテーマは「成功する広報体制の作り方」です。
広報は、情報発信を行うことだけでなく、企業活動をより良いものにする重要な経営機能の一つです。広報活動を成功へと導くには、まず社内にしっかりとした体制を整えることが不可欠です。
しかし、「どのように広報体制を構築すればよいのか」「どんな人材を担当にすればよいのか」といった悩みを抱えている企業も少なくありません。今回ご紹介する「成功する広報体制の作り方」をぜひ参考にしてみてください。
広報は経営機能、経営層と近い位置にいるべき理由とは?
日本広報学会は、2023年6月に「広報の定義」を発表しました。
【広報の定義】
組織や個人が、目的達成や課題解決のために、多様なステークホルダーとの双方向コミュニケーションによって、社会的に望ましい関係を構築・維持する経営機能である。
※日本広報学会「広報概念の定義」より引用
(日本広報学会URL:https://www.jsccs.jp/concept/)
企業価値の向上、採用活動の強化、社内コミュニケーションの活性化、モチベーション向上など、現在の経営課題をダイレクトに反映できる体制づくりが、成功する広報のカギとなります。
広報が発信するメッセージは、社内外における企業の認知に大きく影響を与えます。広報は常に未来の会社の姿を考えながら情報を発信するため、経営戦略や目標、社内課題を最もよく把握している経営層の直接参加が不可欠です。
また、日常の情報発信に加え、緊急事態発生時のリスク対応においても、広報と経営が密接に連携していることが重要です。時代のニーズとともに変化する経営戦略や課題に素早く対応するため、経営層と直結した広報体制を構築しましょう。
広報の体制作りは経営層の仕事、担当者を決める以外にやるべきこととは?
広報の体制づくりにおける経営者の役割は、単に担当者を決めることだけではありません。経営者が積極的に関与することで、広報の立ち上げスピードは大きく変わります。
広報活動の成果を出すためには、名前だけの担当を決めるのではなく、十分な人的リソースを確保し、実際に成果を生み出せる体制を整えることが重要です。広報を新たに立ち上げる場合や、体制を強化したい場合には、経営層が以下のポイントを意識して体制づくりを進めることをおすすめします。
①現状の確認
まずは、広報活動における自社の状況を整理することから始めます。
経営戦略や経営課題に照らし、広報活動の目的を明確にし、自社の広報方針を定めます。このプロセスでは、経営者がしっかりと意思決定を行い、その後の広報活動が目的とずれていかないようにすることが大切です。
②リソースの検討
広報の目的と方針が定まったら、予算や人員などのリソース面を検討します。
担当者の配置は、会社の規模や状況によって異なるため、経営者の適切な判断が求められます。
中小企業の場合、専任の広報担当をすぐに設けるのは難しく、他の業務と兼任する形でスタートするケースが多いでしょう。しかし、広報活動に遅れが生じないよう、事業部門ごとに担当者を決めてチームで進めるなど、広報担当者単独ではなく、会社全体で広報を支える体制を考えることが重要です。
また、体制づくりと合わせて重要なことは、社内の情報を適切に吸い上げられる仕組みをつくることです。経営層や各部門との密な連携によって、少数精鋭でも広報活動を成功させている企業は多くあります。
兼任の広報担当者がいる場合は、広報外の業務をフォローし合える環境を整えることも必要です。自社の規模や業務量を考慮し、無理なく継続できる体制を構築しましょう。
③担当者の決定
リソースの検討と並行し、広報担当者を決定します。社員の特性や業務負担を考慮しながら、適任者を選びましょう。
広報は、情報発信を通じて社内外のファンを増やす役割を担うため、コミュニケーション能力が求められます。人との対話が得意な人や、広報を通じてコミュニケーションスキルを伸ばしたい人は適任です。
また、広報には、社内外へ複雑な内容を分かりやすく伝える文章力、多角的な視点を持って情報を発信する発想力、状況に応じた適切な対応ができる判断力なども求められます。
しかし、これらのスキルをすべて備えた完璧な担当者を最初から求める必要はありません。
特に立ち上げ時に重要なのは、トライアンドエラーを素早く繰り返しながら、広報活動を軌道に乗せることです。たとえ文章作成が苦手でも、チームで補い合うことができます。そのため、積極的にコミュニケーションを取れるメンバーに広報を任せるのがおすすめです。
担当者の自主性も大切な要素です。社内で立候補を募り、モチベーションの高いメンバーで広報活動をスタートしてみるのもよいでしょう。ある程度活動が進めば、適切な役割分担も見えてくるため、その後の体制強化につなげることができます。
スムーズに情報を収集・発信する仕組みづくり
自社の強みを積極的に発信するためには、社内からできるだけ多くの情報を収集することが不可欠です。広報の立ち上げ期に、初心者の広報担当者から「社内から情報が集まらない」という悩みをよく聞くことがあります。
広報担当者が積極的に事業部とコミュニケーションを取ることは重要ですが、最初の道筋として、経営層の協力による仕組みづくりが欠かせません。特に、企業規模が大きくなるほど、広報担当者と他部門や経営層との距離が生まれやすくなります。
こうした距離を縮め、情報収集のハードルを下げるために、広報活動の内容を各部門と共有できる仕組みを整えましょう。
<具体的な施策>
・経営者から各部門の責任者に対し、広報活動の重要性を伝える
・各部門の責任者に定期的な広報ミーティングへの参加を促す
・社内連絡ツールを活用し、広報ミーティングの内容をフィードバックするとともに情報を募集する
これらの施策を実施するには、経営層の理解と協力が不可欠です
各部門の責任者には「どのような目的で」「どのような情報が必要なのか」を明確に伝え、社員の理解を得られるように努めましょう。 広報の役割を社内に広く認知してもらうことで、広報の意義が伝わり、社内取材や情報収集への協力を得やすくなります。
社内への広報活動の意義は、一度伝えただけでは浸透しません。経営者が日頃から広報の目的や重要性を繰り返し発信し、部門責任者に積極的に声をかけることで、広報活動への協力を得やすくなります。継続的な発信と仕組みづくりによって、スムーズな情報収集・発信体制を確立しましょう。
経営者の広報参加が社員の意識を変える
広報を成功させるために最も大切なのは、経営者が社員に示す姿勢です。経営者が広報活動を重視することで、社員全体の意識が変わっていきます。
広報活動を通じて、社員は「自分の仕事が社会からどう見られているのか」「それが会社にどのような影響を与えるのか」を意識するようになり、仕事に対する緊張感やモチベーションが高まります。 経営者は、プレスリリースや社内報を通じたメッセージの発信だけでなく、定期的に広報担当者と会議を持ち、広報戦略や計画立案に積極的に参加することが重要です。
以上、今回は「成功する広報チームの作り方」についてご紹介しました。
広報活動によるファンづくりは、一朝一夕には実現できません。継続的な取り組みが不可欠であり、そのためには経営層と直結した広報体制の構築が重要です。経営者自身が自社の課題や目標を見据え、理想とする会社の姿に向けて最適な広報チームを編成し、長期的な視点で広報活動を推進していきましょう。