こんにちは。株式会社ネタもと カスタマーサクセス部です。
本コンテンツでは、会社のファンづくりに欠かせない「コーポレートPR」の情報発信のコツをお伝えします。

生成AIの進化により、プレスリリースの原稿やSNS投稿の文案も、AIに任せれば数分でできあがるようになり、広報の作業効率は間違いなく上がっています。

一方で、読み手は無意識のうちに「本当に人が書いたものかどうか」を見極めるようにもなっています。AIが書いたとみられる、似たような言い回しの投稿が溢れる中で、人の手触りが感じられる情報の方がかえって目に留まりやすくなるという現象も起こり始めており「AIをどう使うか」と同時に「どこを“人の言葉”で語るべきか」を見極める視点が重要になってきています。

そこで今回は、「広報へのAI活用と“人の言葉”との使い分け」についてご紹介します。

広報におけるAI活用シーン

AIは、情報発信の骨組みをつくる上で、非常に頼れる存在です。特に次のような場面で力を発揮します。

①情報整理・たたき台づくり
プレスリリースの構成案、SNS投稿の文案、社内資料の要約など、ゼロから形にする作業をAIに任せることで、時間を大きく短縮できます。

たとえば、新商品発表の際、「発表日・特徴・想定読者」をAIに伝えれば、5W1Hを押さえたプレスリリースの骨子案を数分で作成することができます。また、自社の事業計画や年間予定を読み込ませ、各月の情報発信テーマを提案してもらうなど、ネタ作りや発信計画作成にも活用できます。

②表現のブラッシュアップ
書いた文章の言い回しを整えたり、誤字脱字をチェックしたり、ターゲットに応じてトーンを調整したりする作業も、AIが得意とする領域です。

たとえば、社員インタビュー記事を作成する際、「採用ページ用に若者向けの柔らかい文体で」「取引先向けにフォーマルな文体で」と指示すれば、複数パターンを短時間で用意することができます。長文のニュースレターを読み込ませ「3行で要点をまとめて」などと伝えれば、SNS用の投稿文案へと簡単に再構成することもできます。

③データ・情報の分析
自社データの整理や、報道資料の内容と取材履歴、SNS投稿への反応など、情報発信に関する分析も、AIを使えば効率的に行えます。

たとえば、過去半年分のSNS投稿とエンゲージメント数をAIに読み込ませ、反応が良かった投稿とそうでなかった投稿を洗い出せば、以後の情報発信を改善させていくことができます。また、競合他社の発信内容を並べて比較させ、「自社にはない切り口」を抽出させる、といった使い方も有効です。

「人の言葉」でなければ伝わらないこと

一方で、AIでは本質的に「語れない」こともあります。それは、経営者や社員たち本人の体験や想いに根ざした発信です。

たとえば、「なぜこの事業を始めたのか」「経営が苦しかった時に何を考えたか」といった一次情報は、それを体験した経営者本人にしか語れません。AIはもっともらしい整った文章を生成できますが、そこに宿る実感や葛藤を一から作り出すことはできないからです。

本人の実体験に基づく言葉やストーリーは、多くの人の共感を集める、信頼性の高いコンテンツとなります。

①企業理念や創業ストーリー、事業への想い
会社紹介や採用ページ、ニュースレターなどを通じ、創業のきっかけや転機となった出来事、事業への想いについて、経営者自身の言葉で積極的に発信していきましょう。

たとえば、「取引先の一言で経営方針を変えた」「資金繰りに苦しんだ末に今の事業モデルにたどり着いた」といった経営者本人にしか語り得ないエピソードは、AIで生成した第三者的な説明よりも格段に説得力が増し、読み手に強い印象を残します。

ホームページや採用ページに掲載した経営者ストーリーが求職者の心を動かし、応募の決め手となることも少なくありません。

②社員の“生の声”
働く社員のリアルな声は、会社を映す鏡です。サクセスストーリーばかりではなく、働く中で社員たちが実際に直面した困難やそれを乗り越えたエピソードを赤裸々に語ることで、求職者をはじめ、多くのステークホルダーに誠実な印象を与えることができます。

たとえば、「配属されて最初の半年はまったく結果が出ず、辞めたいと思っていたが先輩の一言で仕事が楽しくなった」「取引先の何気ない言葉に救われた」といった等身大のエピソードが採用ページにあると、求職者が入社後の自分を重ねやすくなります。

社内イベントや仕事紹介なども、社員自身の言葉で伝えることで、ぐっと親近感の湧くコンテンツになります。会社のありのままの雰囲気を映す社員の声は、信頼性の高い情報として受け止められ、開示度の高い会社という印象を与えます。

③商品・サービスづくりへのこだわり
なぜこの仕様にこだわったのか、開発の過程でどんな葛藤や試行錯誤があったのかという商品・サービスの開発ストーリーは、単なるスペック説明にはない「熱量」を読み手に伝えることができます。

たとえば、「コストを考えれば別の素材でも良かったが、お客様の安全を優先してこの仕様にこだわった」「売上激減の原因を徹底的にリサーチした」といった背景を、経営者や開発者自身が語ることで、プレスリリースや商品ページの説得力が増し、メディアやステークホルダーの興味を喚起することができます。

こうした効果を意識し、近年、開発秘話をnoteやSNSで発信する企業も増えています。

④危機・トラブル対応
クレーム対応や不祥事対応など、企業の姿勢が問われる場面では、定型文的な発信は不信感を招きがちです。危機対応のときこそ、経営者自身が「なぜ起きたのか」「今後どう向き合うか」を自分の言葉で説明することが、信頼回復の第一歩となります。謝罪文をAIで整えることはできても、「なぜ自分たちがそう判断したのか」という経緯までは、経営者本人の言葉でしか説明できません。
 

以上、今回は「AIを使いこなす広報、人の言葉で語る広報」についてご紹介しました。

AIは広報の強力な味方ですが、会社の信頼を築くのは、最終的には経営者や社員たち自身の言葉です。すべてを人力で行う必要はありませんが、すべてをAIに任せてしまうと、発信の核となる自社の魅力や独自性が失われてしまいます。

効率化できる部分にはAIを取り入れつつ、事業への想いや会社の転機、社員の声、開発秘話など、「受け手の心に届けたい」と思うシーンでは、しっかり【人の言葉】で伝えることを意識していきましょう。