「安くて美味しい」では埋もれていたグルメ回転寿司
職人育成と現場主役の取り組みを広報PRで言語化
広報の自走化で業態価値と組織力向上に成功!

鮮度の高い素材本来の味を楽しめるグルメ回転寿司「三浦三崎港」や「恵み」、「めぐみ水産」「やざえもん」などを展開し、横浜から世界へ向け日本の食文化を発信する、株式会社ネオ・エモーション。
2025年12月には”ちょっと良い日の大衆居酒屋”をコンセプトとした「まぐろ問屋二代目マル城」を新業態として開業。寿司店では高品質な鮮魚を取り揃え、大衆居酒屋では未利用魚を使用した料理にも取り組み、日本の水産業界の活性化にも取り組んでいる企業です。
今回は、ネタもと導入から約1年を迎え、メニュー開発にも「PR視点」を入れることで唯一無二のメニューを現場で生み出している、 株式会社ネオ・エモーション 代表取締役 石橋 匡光 様、広報担当マネージャー 幸喜 誠吾 様にお話を伺いました。
「ネタもと」導入前の経営課題や悩み
以前から、自社で取り組んでいる「良いこと」や「こだわり」を言語化し、伝えていかなければならないという問題意識はありましたが、なかなか実行できていませんでした。会社の良いところや強みについても、自分たち自身が十分に把握できていない部分が多々あったと思います。鮮度の良い魚を使ったグルメ回転寿司を展開するという仕事柄、こだわりは数多くあります。しかし、そうしたこだわりや、自社が行っている特徴的な取り組みを言葉にして発信することが、「やりたいけれどできていない」状態でした。
昔は、弊社のような労働集約型の会社では、朝から晩まで24時間365日働いた結果として、安くて美味しいものを提供することが企業努力だとされてきました。そうした「捨てるべきこだわり」もある一方で、新たなこだわりを生み出し、それを社内外に発信したいと考えていました。ブランディングという言い方は大げさかもしれませんが、我々がやっていること一つひとつは、お客様に伝えなければならないことであり、それらすべてが「美味しさ」につながると思っています。
今はどの店でも、何を食べてもある程度は美味しい時代です。「美味しい」だけでは差別化にはなりません。自分たちのこだわりや、実践している「良いこと」を言葉にしてお客様に伝えることで、それが「脳で食べる味」へと変わっていくと考えています。「安く、美味しい」寿司を出す店という狭い競争の中で戦うよりも、われわれがやっている良いことを言語化して外に出していくことが、社外だけでなく社内に対しても有効な差別化の表現になると考えていました(石橋様)
寿司職人の世界には、「すごく厳しいだろう」「未経験では無理ではないか」といった閉ざされたイメージがあり、採用や人材育成の面で課題がありました。そうした状況を突破するために、弊社では5年ほど前から取り組み始め、3年ほど前から形になってきたのが、未経験でも入社90日間で寿司を握れるようになる「90日プログラム」です。これを採用活動で全面的に打ち出して以降、年間1~3人で推移していた職人採用数が、毎年5人程度確保できるようになっていました。
また、以前は職人に対する明確な評価基準がなく、個人のスキルを見て判断するという状況でした。そのため、給与について職人が前任の社長に直談判するようなこともあり、そこで折り合えずに離職につながるケースもありました。この点についても、現社長に代替わりしてから、明確な基準に基づく公平な評価制度を構築しました。きっかけは、社長から「給料を上げる理由を作ってください」と言われたことです。これにより、頑張った人はしっかりと評価し、足りないところがあるメンバーには「こんなふうにステップアップしていきましょう」といったアドバイスができる体制が確立され、離職率も改善し始めてきたところでした(幸喜様)
「ネタもと」導入前の広報PR活動状況
関連会社の三崎恵水産では、プレスリリース配信サービスを活用してプレスリリースを配信するなどの広報活動を展開していましたが、当社として独自の広報活動は行っていませんでした。ネオ・エモーションの店舗として広報の必要が生じた場合も、三崎恵水産が動いて情報発信を行うというかたちをとっており、社内に広報体制はありませんでした。広報担当者もおらず、なんとなく「みんなでやる」という感じでしたね(石橋様)
社内でも「もっとしっかり広報活動に取り組んでいく必要がある」という声は上がっていました。その流れの中で、私が広報担当に立候補し、任命されたのですが、それまで広報の経験もなかったため、右も左も分からず、「どうやってやればいいのだろう」という状態でした。社内に知識やノウハウがまったくなく、何から始めればいいのかも分からない状況だったんです。
メディアとの接点については、完全に「待ちスタイル」でした。こちらからメディアにアポイントを取ったり、オファーをしたりすることは一切ありませんでした。それでも年に5社程度の取材を受けていましたが、それも「サンマが高騰していますがお店はどうですか」といったメディア側の質問に対し、店長が答えるといったもので、会社として伝えたいことを主体的に発信できていたわけではありませんでした。
また、広報活動に本格的に取り組んでいきたいという声がある一方で、社内では「年間で予算を使って広報をやる意味があるのか」「今のままで十分ではないか」という懐疑的な声もありました。広報活動に取り組む前から売上は上がっていたため、そうした意見も少なくはありませんでした。(幸喜様)

「広報PR活動」を重視するに至った理由
社長就任以来、労働環境を変えていかなければならない、同時に効率性も求めなければならないという状況の中で、さまざまな改革を行ってきました。たとえば、以前は朝から晩まで働き続ける環境でしたが、現在は労働基準監督署にも胸を張って見せられる状態へと変わっています。そうした変化の中で生まれてきた新たなこだわりを、もっと多く伝えていきたい、そして伝えなければ意味がないと感じていました。世の中の流れや会社の体制づくりを踏まえ、今だからこそ伝えていけると判断し、最も効果が高いであろうタイミングで広報活動を強化することを決断しました(石橋様)
現社長に代替わりしてから、まずインナーブランディングの強化に取り組み始めました。それまでのルーティンには良いところもあれば悪いところもあったため、一度これまでのやり方を見直して整理し、ネオ・エモーションとはどのような会社なのか、どのような魅力があるのかという点を、社内全体に伝えていく取り組みを進めていきました。
たとえば、年に一度の「決起集会」を、単なる決算報告会ではなくパーティー形式に変更し、社長をはじめとする本部メンバーが社員をもてなすようなかたちへと転換しました。その中で、新入社員を含む若手メンバーによる「早握り選手権」を開催しています。また、毎週月曜日にはオンライン朝礼を実施し、社長からの一言やマネージャーからの注意事項の共有に加え、社員がプライベートのことでも何でもよいので、3分間スピーチを行う時間も設けました。これを毎週、全社員が順番に担当しています。これまで店舗同士のつながりがほとんどなかった中で、オンライン朝礼を通じて店舗ごとの人の顔が見えるようになったことは、大きな変化でした。もともと自主的に会社のことが好きなメンバーは、自発的に他店舗へヘルプに行くこともありましたが、そうした「好き」という感情を、強制ではなく自然なかたちで広げていきたいという狙いがありました。
数年前までは、大きな不満を抱えている社員もおり、社員同士が愚痴を言い合う場面も少なくありませんでした。しかし、現体制になってこれらの取り組みを始めたことで、これまでつながりのなかった異なる店舗の人の顔が見えるようになったり、会社のことを好きになる社員が増えたりと、変化が起こり始めていました。現在では、社員同士が良い意味でライバル視するようになり、自分たちの評価が可視化されていることで、同期で入社したメンバーがこのポジションにいる、と意識しながら切磋琢磨するようになってきました(幸喜様)
当社の企業価値は、売上や利益ではなく、どれだけ寿司を握れる人を生み出せるかという点にあると考えています。そのためには、リクルーティングと育成という両軸に取り組まなければ、企業価値は高まっていきません。その中で、リクルーティングに関しても育成に関しても、現在は間違いなく向上してきています。つまり、企業価値が上がっているということです。そのようなタイミングで体制を整えながら広報活動を本格的にスタートできたことは、良かったと感じています(石橋様)

数あるPR支援の中で「ネタもと」を選んだ理由
もともと、社内で広報活動にしっかり取り組んでいかなければならないという話になり、私が広報担当に立候補し、任命されたのですが、それまで広報の経験もなかったため、右も左も分からず「どうやってやればいいのだろう」と思っていました。そんな中、ちょうどネタもとさんが営業に来られました。本当にタイミングが良かったです(幸喜様)
他のPR会社とも比較した中で、ネタもとのサービスはサポート体制がとても充実していると感じました。1年間で成果を出したいという目標があったため、広報トレーナーが伴走してくれる点や、メディアリサーチなどの機能がある点に魅力を感じました。こうしたサービスを活用すれば、この1年で成果が出せそうだと思ったことが、ネタもとを選択したポイントです。
「広報活動をやりたい」ということは、私から言い出したことではなく、社員たちから上がってきた声でした。私自身、PRの重要性は理解しており、広告に100万円払うよりも、PRでブランドを作っていった方が、後々の経営資源になると考えていました。「ネタもと」については、それまでも何度か営業を受けており認知していたため、「では、これで一度やってみよう」とゴーサインを出しました。また、社内の自走化が早く確立できるほどコストは抑えられるという考えもあり、「申し訳ないけれど、1年である程度の広報体制を完成させてほしい」という指示を、社内向けに出していました(石橋様)
「ネタもと」を利用し得られた成果
広報活動を進めていく中で、プレスリリースを社内に共有し、「こんな取材を受けますよ」「こんな番組に出ますよ」といった情報をしっかり伝えていくと、そのリリースや掲載記事、出演番組などを「見たよ」というお客様の声が、次第に増えていきました。そうしたお客様の反応は、本部ではなく店舗に直接届くため、現場のメンバーたちが「広報がプラスの効果を生んでいるのだな」ということを実感してくれるようになりました(幸喜様)
もともと取材される機会は少なくはない会社だったのですが、あえて「ここを見せたい」というかたちでプッシュ型のPRができるようになったことは大きな変化だと思います(石橋様)
社長のキャラクターを打ち出したいと考えていたところ、BizHintさんにとても素敵なインタビュー記事を掲載していただきました。社長が社員に任せる組織づくりを実践している中で、「自分は何もしない」というスタンスを、とても面白くまとめていただきました。社長の思いや取り組みの意図が、社内外によく伝わるきっかけになったと思います(幸喜様)
僕はよく会社で「座右の銘は『気合と根性』」という話を新入社員含むすべての社員の前で言っています。そのまま受け止めたら完全に昭和マインドですよね(笑) でもそうではなく、それをにっこり笑顔で「じゃあ、気合と根性で頑張ります」って社員たちが僕に対しても笑って受け流してくれる、そんなやり取りが重要だと思っています。先代までは、社長が絶対的な存在でイエスマンばかりの組織だったので(石橋様)
「気合と根性」という言葉の裏にある、「自分たちで考えて行動してほしい」という社長の思いが、広報活動を通じて、ひとつの合言葉のように社員たちに浸透してきました。朝礼では店長たちも「気合と根性」という言葉を使うようになり、店舗でも「今日は1人メンバーが減ってしまったけれど、気合と根性で頑張りましょう」などと、笑顔でやり取りするシーンが増えてきました。店長たちも、アルバイトを含めた従業員一人ひとりに対し、自分の言葉や自分の思いをしっかりと伝え、行動に移していくことの重要性を意識するようになってきていると思います。
また、プレスリリースを作成することにより、今までは自分たちがルーティンの一つとして捉えていたことが「すごく面白いことをやっているんだ」「新しいことに挑戦しているんだ」という気づきに変わっていくことがたくさんありました。メディアの方からも、とても良い反応をいただくことで「面白いと思ってもらえることをやっているんだ」という自信につながったことが大きな変化だと思います。
その他にも、先ほど職人を育成する「90日プログラム」についてお話ししましたが、昨年7月には、プログラムを修了しデビューしたての“織人”たちが、実際に寿司を握りながら接客を学ぶ育成専門店「鮨道場」をオープンしました。これはまさに、広報活動を行っていなければ生まれなかった店舗であり、事業化までつなげられたことは非常に大きな成果でした。また、広報活動による一番の変化は、スケジュールを前倒しで考えるようになったことです。
フェアメニューなどは、少なくとも1カ月前にはしっかり完成させなければ、リリースができません。しかし、広報に取り組む前まではスケジュール管理が緩く、メニューが決まったら即リリース、といった感覚でした。そうしたスケジュール管理を前倒しできるようになったことで、PRのタイミングが早まり、商品への付加価値もしっかりと付けられるようになってきました。たとえば、毎年販売している恵方巻も、今年は神社でご祈祷を受け、その点をPRすることで付加価値をプラスできるようになりました。こうしたアイデアが現場からも多く出てくるようになったことは、とても良い変化だと感じています(幸喜様)
私は、広報に取り組んだことで、仕事の質が大きく向上したと感じています。幸喜の話にもあったように、日々ルーティンを抱えている業態であるがゆえに、これまではすべてのことが行き当たりばったりになりがちでした。PRだけでなく、販促や仕入れ準備も含めて行き当たりばったりで、とにかく「合わせる」。そうした“現場合わせ”は、みんなとても得意です。しかし、クリスマスのPRをクリスマス当日に出しても、なんの意味もないじゃないですか。
そうではなく、クリスマスのフェアを行うのであれば、前もって商品チームに「この日までに用意してもらえないと間に合わない」としっかり伝え、お客様目線でPR映えする商品を作りながら、スケジュール管理をしていく必要があります。こうした取り組みは、すべての業務に良い波及効果をもたらすはずです。意味を持ったPRを行うために考えてきたスケジュールと、それに伴う仕事の質は、格段に向上してきていると思います(石橋様)

具体的に取り組んだこと
ネタもとと広報活動に取り組むようになり、「せっかくプレスリリースを作ったのだから直接送付してみよう」「電話をかけてみよう」といったように、さまざまな方法でこちらからメディアと接点を持つようになりました。広報トレーナーのスパルタ指導を受け、テレビ局にアポなしで電話をかけたこともあります。最初はとても緊張し、ハードルも高く感じていましたが、そうしたアプローチを躊躇なく行ってよいというアドバイスをもらったことで、メディアとの関係性が大きく変化しました。
そのような経験を重ねる中で、現在では、取材をしてもらった接点のあるディレクターやプロデューサーの方々と、気軽にメールなどでやり取りができるようになり、「テレビ撮影で場所を貸してほしい」といったロケ貸しのオファーも多くいただくようになりました。取材の枠を超えた関係性を構築できてきたことは、非常に貴重だと感じています。失敗談としては、電話対応が遅れたことで、テレビの取材を逃してしまったことがあります。携帯電話の番号を公表していましたが、ちょうど不在のタイミングで連絡が入り、1日後に折り返した時にはすでに遅く、結果としてボツになってしまいました。テレビ取材は急ぎの対応を求められることが多く、「今から動けますか」「今朝から行けますか」といった依頼が頻繁にあります。そのため、連絡がつかない場合は次の取材先に移ってしまい、非常にもったいなかったと感じています(幸喜様)
ネタもとさんからノウハウを吸収し、その吸収から実行までを、担当の幸喜がスピード感をもって進めてくれたことが、成果につながったのだと思います。それから、やはり私があまり口を出し過ぎなかったことも、良かったのではないかと感じています。私の得意技は「投げっぱなしジャーマン」で、基本的に任せるタイプなので(笑)、幸喜がネタもとさんから学び、吸収から実行へと成長していくスピードは非常に早かったです。
今後、あと2~3人、広報に携われる人員を配置できれば、さらに体制を強化できるのではないかと考えています。この1年間で培ったものを社内で共有し、いかに次の広報体制づくりへとつなげていくかが、次の課題です。
昨年から新業態として、居酒屋を2店舗連続でオープンしました。回転寿司事業では、多少家賃が高くても人の集まる一等地に出店する戦略を取ってきましたが、居酒屋業態では二等地を中心とした出店戦略を進めています。そのため、広報活動の重要性はこれまで以上に高まっています。
やはり、費用をかけて広告を出すよりも、PR活動を通じて地道にお客様に伝えていく取り組みに注力する必要があると、あらためて実感しています(石橋様)
ネタもと独自の「PR活動診断」
ネタもとでは、定期的に独自の「PR活動診断」を実施し、お客様の「自走化状況」を可視化・数値化することで、成果が見えづらい広報活動の「効果検証」を可能にし、自走化実現までの道のりをしっかりとサポートしています。


これまでに掲載された主な媒体名
・スーパーJチャンネル
・DayDay.
・羽鳥慎一モーニングショー
・RiCE
・商業施設新聞
・日本外食新聞
・BizHint
・Yahoo!ニュース
※その他、取材予定、掲載予定6媒体あり(取材した時点)
掲載されるために工夫したこと
「ここでしか食べられないもの」を軸にしたメニュー開発に取り組んできました。たとえば、この1年の開発商品に、わらび餅を冷やして削る業界初の新感覚スイーツ「もち氷」があります。ふわふわの天然氷のかき氷ではなく、あえてわらび餅を使った取り組みで、他ではやっていないことに挑戦したことで、テレビにも取材していただきました。「もち氷」は商標登録を取得しており、現在は、製法特許出願中です。
正月には、ネオ・エモーションとして初めて自社でおせちを作ることに挑戦しました。単なるおせちでは面白くないということになり、寿司屋が作るおせちなので、おせち×お寿司で「新春おすち」というネーミングでリリースしました。みんなでアイデアを出し合い、回転寿司の本部長監督のもと、ダメ出しもたくさんもらいながらブラッシュアップさせ、完成へと近づけていき、目標数完売という、しっかりした成果を出すことができました。商品開発ひとつをとっても、他とはちょっと違う、かつ高品質なものを届けようという姿勢は、メディアに取り上げてもらう上でも重要な要素だと感じています(幸喜様)

インタビューを受けるときは、「この会社で稼いでいるのは自分ではなく、現場の人たちです」ということをはっきりと伝えるよう意識しています。私は寿司を握れるわけでもなく、特段稼ぐ仕事をしているわけでもないので、前面に立つのではなく、応援団長のようなポジションにいればいいと思っています。私がやっていることは、現場の人たちが気持ちよく働ける環境を提供することです。それぞれの立場の人が、他の立場の人の目線を理解できるようになることが大切だと思っています。
たとえば、「現場のメンバーは今日の売上を気にしていて、店長は今月の売上を気にしていて、本部は今年の売上を気にしていて、社長の私は10年後を気にしている」という目線です。こうした目線の違いを理解して、お互いがリスペクトし合うようになると、組織はすごく強くなっていくと思っています。そうした意味を伝えたいと思い、「僕は稼いでいない、稼いでいるのは現場だ」というメッセージは、取材などを通じて社内外に伝え続けていくようにしています(石橋様)
普段なかなか聞くことのない社長の経営に対する想いなどが、インタビュー記事や番組を通じて現場のメンバーにもしっかり伝わってきています。メディアを通じて発信された言葉は、僕らが伝えるよりも重みと説得力があり、スタッフにも響きやすいと感じています(幸喜様)

どのような企業に「広報PR」や「ネタもと」を勧めたいか
同業の皆さんには、ぜひネタもとのサービスや広報活動を始めることをお勧めしたいです。現在、回転寿司は大手も含め、一枠に括られてしまっているので、弊社の店舗だけではなく、「グルメ回転寿司」という同じ業態の店舗が、いろんなことを発信することで「グルメ回転寿司」というジャンルの認知度を上げていけたらと思っています。
まずは所属している回転寿司協会の交流会などで、広報活動を通じた変化や成功事例を共有しPRの効果を伝えていきたいです(幸喜様)
そうですね。私も弊社だけでなく、今後は業界全体の地位向上のためにも、PRは重要になってくると思います。ただ安くものを売るのは企業の怠慢であって、これからはいかに付加価値を付けていくかが重要で、業界全体として「回転寿司は安くて当たり前」というところから脱却していかなければならないと思っています。
我々がやっていることは総合エンターテインメントです。さまざまなこだわりを実践して、大手回転寿司とは違う価値を付けてお客様に提供する、それを我々は「グルメ回転寿司」と呼んでいますが、一般の方からすると、まだまだ「大手回転寿司もグルメ回転寿司も同じ回転寿司」という認識なんですよね。だけど、実際に「グルメ回転寿司」はかなり人が介在しているし、パートさんがシャリ玉の上にネタをのせて流すのではなく、織人(職人)の手で握った寿司を「お寿司」と定義しています。
弊社では豊かな食文化を織りなす「織人」という新たな寿司職人の定義を打ちだしています。このようなところをしっかりお客様に伝えることで「ああ、だから大手回転寿司とは違うんだ」ということを知っていただきたいです。今後「グルメ回転寿司」を広めていくためには、「グルメ回転寿司」という言葉自体をもっとPRしていかなればならないので、同業他社含め、みんなで広報活動をやっていく必要があると思っています。ネタもとからも「PR=経営」という話がありましたが、自分たちのこだわりをしっかり外向けに伝えるということは、マーケティング施策としても当然のことだと思います。値段を安くする方向ではなく、むしろ付加価値を付けて高くするために「もっと美味しく食べてもらうために広報をやっていこうぜ」というPRを同じ業界の人たちに伝えて一緒に取り組んでいきたいです。
他の業界の経営者の方々にも同じように、自分たちの仕事や商品、サービスを安く売るためではなく、価値を上げて高くしていくために「もっと自分たちの言葉をPRにのせて世間に発信していきましょう」と言いたいですね(石橋様)
私たちもそうでしたが、企業としては、広報活動よりも宣伝・広告に目が向いてしまうと思います。そのほうが集客しやすいし、目立つようになれればいいなと考えてしまいがちです。でも、やはりまずは広報をしっかりやって、自分たちの強みを明確にしてから、販促活動強化につなげていくほうが、より効果が出ると感じています。その順番が逆になってしまうと、なかなか自社の魅力をうまく発信できないと思います。
おそらくCMなどは、意図はもちろん伝えるのでしょうが、8~9割は制作会社さんに丸投げになってしまうと思います。そのため、CMなどではよく見かけるけれど、プレスリリースなどの情報発信はされていないような企業のみなさんには、ネタもとやPRに取り組むことをお勧めしたいですね。自社でしっかり広報に取り組まなければ、自分たちの思いは十分に伝わらないと思うので(幸喜様)
今後のさらなる目標
3年以内に売上高50億円達成を数値的な目標として掲げています。社員たちには「僕の年齢(億)を目指していきましょう」と言っていて、私は今47歳なので47億円、1年ごとに1億円ずつ売上を伸ばしていくという目標です(笑) 今後は企業理念に掲げている「横浜から食文化を世界へ」発信する部分をより強化していきたいので、そういった意味で回転寿司以外の業態の開発もカギとなってくると思っています。回転寿司さえやっていれば社員の給料を増やしていけるのに、なぜ、あえて新たな業態を増やしていくのかとか、それに対する思いなどをPRを通して社内外に伝えていきたいです(石橋様)
広報の視点からも、成し遂げたい目標があります。それは、回転寿司として初のミシュラン掲載です。日本にある回転寿司という食のエンターテインメントを世界に発信するためにも、ミシュランの影響というのはとても大きいと思います。単に話題が欲しいからということではなく、前述したとおり、業界全体としてグルメ回転寿司を盛り上げていきたいので、これは本当に強い願いですね。積極的なPRを通じ、世間一般とグルメな方々の評価を、業界全体で持ち上げていくことが大事だと思っています(幸喜様)
今回の事例、ネオ・エモーション様は、広報体制もノウハウもない状態から「広報の自走化」サービスを活用し、1年未満で自社内に広報を回せる仕組みと人材を育て、具体的な成果を生み出してきました。自社の強みやこだわりを言語化できていなかったこと、メディア対応が受け身だったこと、広報の価値が社内で共有されていなかったことなど、多くの企業が共通して抱えがちな課題を、PRを通じて一つずつ解決していった事例です。
広報に取り組んだことで、社外への認知向上だけでなく、社員の意識変化や組織の一体感、商品開発や業務の進め方そのものにも良い影響が生まれました。広報は「発信するための仕事」ではなく、「会社の価値を整理し、次の行動を生み出すための仕事」であることが、実体験として語られています。
広告に頼る前に、まず自分たちの言葉で、自分たちの価値を伝えられているかが重要です。広報に取り組みたいと思いながらも、何から始めればいいか分からない、自走できるイメージが持てないと感じている企業こそ、今回の事例が大きなヒントになったはずです。
石橋様、幸喜様、お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただき本当にありがとうございました。
参考:株式会社ネオ・エモーション 様:248名/正社員・アルバイト(2026年1月現在)