
こんにちは。株式会社ネタもと PRプロデュース部です。
本コンテンツでは、広報担当者の「業務のヒント」となる情報をご紹介します。
新年を迎えて、次年度の経営計画づくりに追われている企業も多いのではないでしょうか。
「売上目標は前年比120%」「新規事業を2つ立ち上げる」「採用を強化する」など、経営戦略は明確。
でも、それらの目標を達成するためのPR戦略はちゃんと連動しているでしょうか。計画的なPR戦略は、企業の成長を加速させる強力な経営戦略になります。
そこで今回は「経営戦略と連動した次年度のPR戦略設計のポイント」をご紹介します。
なぜ「経営戦略にPR」を入れることが重要なのか
広報・PR活動は、単なる情報発信や宣伝ではありません。自社の経営戦略を社会に伝え、理解と支持を得るための重要な経営機能です。新規顧客の獲得、採用力の強化、ブランド価値の向上。次年度の重点施策を起点に「どの戦略を、どのステークホルダーに、いつ、どのように伝えるか」を設計することが、経営の推進力となります。
明確な目標に基づく計画がないと、話題やイベントに応じた場当たり的な発信に終始してしまいます。結果、企業として「何を目指しているのか」というメッセージが十分に伝わりません。効果的な情報発信には準備期間が必要です。ターゲットの絞り込みや、メディアアプローチの設計。先を見据えた計画の立案が欠かせません。
たとえば、次年度の経営目標に「BtoB事業の売上増」を掲げているとします。そうすると、具体的な広報施策が見えてきます。
・ターゲット業界の専門誌への露出強化
・専門性を活かしたセミナーイベントの定期開催 など
さらに、年間を通じてストーリーを描きます。
・春:新技術の発表
・夏:導入事例の紹介
・秋:業界トレンドの解説記事
・冬:次年度展望
それぞれの施策に有機的なつながりを持たせて発信することで、企業としての姿勢や存在価値がストーリーとして伝わります。メディアやステークホルダーの記憶に残りやすくなるのです。
このように、経営戦略と連動した年間広報計画は、企業価値を向上させる情報発信の土台となります。
広報担当者は経営戦略を理解していますか?
「効果的、効率的にPRの戦略を立てたい」と多くの企業がそう考えています。しかし、広報担当者に話を聞くと「今後の経営戦略を把握していない」というケースが少なくありません。経営戦略・方向性を知らない担当者では、効果的なPR戦略は立てられません。特に中小企業やベンチャーでは、トップのアイデアで短期間に方針を変えることも多いもの。経営と広報の関係が密でなければ、PR活動は成功しません。
広報が社内で経営機能として成功している企業を見てみると共通点があります。実務は社員が担当していても、戦略を考える中心にいるのは経営者です。そして、近くにいる広報担当者は経営の考えを深く理解し、その考えを社員の立場で社内に浸透させることができています。理念浸透にもつながっているのです。
次年度へ向けたPR戦略設計の具体的なステップ
では、具体的にどのように経営戦略にPR戦略を取り入れたら良いのでしょうか。
参考例をご紹介します。
ステップ①:前年度の振り返りと成果の棚卸し
まずは、前年度の広報活動を振り返ります。データに基づく客観的な振り返りが重要です。
<定量的な指標を確認>
・報道資料の発信本数
・メディア掲載実績
・ウェブサイトのアクセス数
・SNSのエンゲージメント率 など
<定性的な情報も分析>
・どの記事が反響を呼んだか
・どのタイミングで問い合わせが増えたか など
そして成功事例と課題を洗い出しましょう。今期から広報活動を開始した企業であれば、ベンチマーク企業の情報を収集・分析して参考にするのも一つの方法です。
<データの背景にある原因・理由の深堀>
・メディア掲載が多かった月は何が違ったのか
・反応が薄かった施策には何が欠けていたのか など
このような分析を通じて、次年度に活かせる具体的な改善策を抽出していきましょう。
ステップ②:次年度の広報目標設定
次に振り返りの結果に基づき、次年度の広報目標を設定します。
ここで重要なのは、経営戦略から逆算して考えることです。
「採用応募数を前年比150%にする」など、広報の目的を数値目標に落とし込むことで、具体的な施策立案と効果測定が可能になります。
ステップ③:発信カレンダー(ロードマップ)の作成
次に、事業の動きや社内イベントなど、年間を通じたスケジュールを可視化します。
<外部環境を考慮しながら配置>
・業界の展示会
・季節商材のピーク時期
・決算発表のタイミング
そしてプレスリリース配信、メディアアプローチ、オウンドメディア更新、SNS投稿など、各月の主要な広報施策を配置していきます。
【製造業の例】
・2月:4月に狙う特集記事掲載に向けたプレスツアーを実施
・4月:技術力をアピールする特集記事の掲載を狙う
・6月:展示会で実機を披露
・9月:導入事例を発信
など、具体的な年間ストーリーを描きます。
<カレンダーに書き出すべき要素>
・法改正などの社会的な動き
・業界動向
・記念日や季節性の行事
自社の取り組みを社会の動きと結び付けることで、メディアやステークホルダーの関心を惹きつける効果的なタイミングでの情報発信が可能になります。
ステップ④:経営層・関係部署を巻き込む
年間計画作成の際は、各部署からの意見を積極的に取り入れることも大切です。広報活動では、社内各部署からの情報提供や取材への協力が不可欠だからです。
<各部署から得られる貴重な情報>
・営業部門:顧客の生の声
・開発部門:技術的な強み
・人事部門:採用ニーズ
現場担当者からの情報を広報計画に反映することで、より実効性の高いPR戦略を立てることができます。作成した広報計画は社内共有し、社員たちの理解と協力を促すことも重要です。
<計画書に明記すべき内容>
・背景・目的
・ターゲット
・具体的施策
・スケジュール
・予算
・期待される成果
・KPI など
広報活動が経営目標の達成にどのように貢献するかを、具体的な数字とともに示しましょう。計画作成への参加・共有により社員の広報理解が深まると、広報活動への協力を得やすくなります。また、個々の社員が会社の強みを意識する契機ともなり、社内のファン作りにもつながります。
経営者が先頭に立ち、全社員を広報施策に巻き込んでいくことが重要であり、成功のカギとなります。
今回は、「経営戦略と連動した次年度のPR戦略設計」についてご紹介しました。
PR戦略や情報発信計画は「一度作ったら終わり」ではありません。環境変化に応じて柔軟に見直しながら、PDCAサイクルを回し続けることが大切です。
経営戦略と連動した広報計画は、企業の持続的な成長を後押しします。
一年のスタートとともに、経営成果に直結する次年度のPR戦略設計に取り組んでいきましょう。