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眼鏡の凄さに取りつかれた男

眼鏡の凄さに取りつかれた男

初めてプリズムメガネで見た世界に衝撃 
慢性的な酷い頭痛までも眼鏡で改善
眼鏡の凄さに取りつかれた男

東京都・吉祥寺の眼鏡専門店「opteria-Glassias(オプテリアグラシアス)」を運営する、有限会社ojim

平成16年に創業し、その翌年に「検査と提案に時間をかける眼鏡屋」として知られる専門店をオープン。一昔前とは違いファッション性の高い眼鏡が注目を浴びる昨今において、「本来眼鏡は医療器具である」という原点に立ち、「RTM式眼鏡調整法/世界初の利き顔メガネ「レチルド」」など眼鏡の技術に拘った商品を提供している。

今回は「医療器具としての眼鏡の凄さをもっと知ってほしい」と日々挑み続ける、有限会社ojim 代表取締役 伊藤 次郎氏に注目してみた。

有限会社ojim 代表取締役 伊藤 次郎 様

プリズムメガネとの衝撃的な出会い

伊藤氏が大学卒業後、最初に選んだ就職先は鉄筋会社だ。しかし、体調不良により8年間務めた同社を退職。次に就職したのはまったくの異業種である飲食チェーン店を展開する企業だった。この時期に「何かしらの店を自分で経営してみたい」という夢を持つようになったという。

転機を迎えたのは、飲食チェーン店に勤めていた時のこと。眼鏡業界の社長でレンズのエキスパートである知人から「飲食チェーンで得たノウハウを眼鏡業界で活かしてみないか?」と誘いを受けたのだ。

これが、その後の伊藤氏の人生を変える眼鏡との出会い、「ドイツ式ポラテスト」や「プリズムメガネ」との出会いとなった。

※ドイツ式ポラテスト=「偏光視標」と「ハーゼ理論」を組み合わせた一連の検査手法
※プリズムメガネ=斜視による複視、斜位による眼精疲労を軽減させるために用いられる眼鏡

初めて「プリズムメガネ」を入れた自分の眼鏡を通して見えた世界は、あまりに衝撃的だった。「全ての世界が明るく見え、解像度が上がり、かつ眩しくない」そんな視界だったという。

更に30代前半から悩まされていた慢性的な酷い頭痛がこの眼鏡をかけることで雲散霧消したことで、「この様な眼鏡を自分でも作れるようになりたい」と思うようになり、本業をこなしつつ週に1回の研修で必死にノウハウ習得に努めた。

ガンを患う先生からバトンを託される

眼鏡との出会いを与えてくれた社長の先輩を紹介されたが、その先生は末期がんを患っていた。自分の経験を次世代に託すために最後は酸素ボンベをキャリアで引っ張り、酸素吸入器を口に咥えながら「伊藤君、こうやってやるんだ。」と丁寧に指導をしてくれたという。

伊藤氏に自分のもつ知識を全て教え込もうとしたこの先生は、日本のプリズム処方に関して、数十年も前に日本中を行脚し、大手の眼鏡屋のほとんどで「プリズムメガネ」の有用性と必要性を説いてまわった。だが大手の教育担当者は口々にこういったそうだ。「素晴らしいのは良くわかる。でもチェーン店でこんなに難しいのは無理だ」と。先生は、普及という目的を果たせず、道半ばで他界してしまったわけだ。

当時伊藤氏は、「なぜこんな貴重な知識と技術を無償で教えてくれるのだろう」と不思議に思ったが、その理由は、大手眼鏡屋が危惧する問題を解消した完成品のメガネとして仕上げる知識・技術・経験をもつ人材が圧倒的に不足していたからだとのちに気づいた。

「より多くの知識を得て、もっと上質な眼鏡を仕立てられる眼鏡士になりたい」という想いから伊藤氏はこれまで以上に一層謙虚に技術を磨き上げていった。

さらに「このプリズムメガネの効果はもっともっと世に知らせるべきだ」という思いからBlogを開設し、プリズムを入れた眼鏡の事例紹介をし、プリズムメガネって凄いんだ、ドイツ式ポラテストって凄いんだと宣伝するも、宣伝だけでなく「普及」も目指す必要があることに気づき、自らの使命を「プリズムメガネ・ドイツ式ポラテストの普及活動と効果の宣伝マン」と位置づけた。

立ちはだかった壁を越え、独自の眼鏡調整法を開発

当時日本では、ドイツ式ポラテストの検査手法よりも米国式21項目検査が主流で、異端とされるドイツ式ポラテストを宣伝する伊藤氏は業界では異色扱いをされ多くの批判にさらされた。それでもプリズムメガネの効果を信じていた伊藤氏は粘り強く効果を宣伝し普及活動を続けていた。

ところが、そこでまた1つ大きな壁にぶち当たる。それはプリズムメガネ「だけ」を極めても、決して眼鏡の本質にはたどり着けないという、自分自身の中に芽生えた疑念だった。

ある仮説を立てて検証をしたところ「ビジョントレーニング」という結論に行きついた。ビジョントレーニングには、米国式21項目検査をする人たちにとって強みといえるノウハウの蓄積がある。そこで40の手習いで、米国式21項目検査の日本における総本山「キクチ眼鏡専門学校」の通信教育課程に通い「ビジョントレーニング」を学ぶ決意する。

※ビジョントレーニング=目の見るチカラ「視覚機能」を高めるためのトレーニング

4年間の過程を経て「SS級認定眼鏡士」という資格を取得することで、ビジョントレーニングについてより理解を深めていった。

こうして、日本では皆無に等しいと言われる「ドイツ式ポラテストと米国式21項目検査のハイブリッド」を確立していき、自らの「RTM式眼鏡調整法」という眼鏡を仕立てる独自調整法を旗揚げすることができたのだ。

伊藤氏は現在さらに上のステージに立ち、経営のギアを1つ上げ、自身が業界から一目置かれる立場となり、国民から「良い眼鏡を仕立てるのならグラシアスだ」と認知されることを目指し、挑戦の日々を送っている。その想いが実現する日を夢見てー。

注目の社長プロフィール

有限会社ojim 代表取締役 伊藤 次郎

杏林大学 社会科学部卒業
平成4年4月 株式会社村上鉄筋 入社
平成9年3月 同社を退社
平成9年5月 株式会社松屋フーズ 入社
平成14年6月 同社を退職
平成14年6月 株式会社アイ・ロード 入社
平成16年9月 同社を退職
平成16年12月 有限会社ojim(オジム)を創業
平成17年2月 眼鏡専門店「opteria-Glassias」を開業


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