こんにちは。株式会社ネタもと 広報プロデュース部です。
本コンテンツでは、会社のファンづくりに欠かせない「コーポレートPR」の情報発信のコツをお伝えします。
今回のテーマは「コーポレートPRの計画は“良い会社作りの計画”になる」です。コーポレートPRに取り組んだことがない広報担当者からは「何を発信すればよいのか」と質問をいただくことがあります。
そこで今回はコーポレートPRの目的の決め方、計画を立てるときのポイントをお伝えします。
まずは「経営者」とコーポレートPRの目的を決める
商品やサービスなど「プロダクトPR」の目的は、
「認知拡大」
「他社との差別化」
「どのような課題を解決するかの社会的意義を伝える」
などです。
プロダクトPRは、広報担当の方はもちろん、社員の方も共通の答えを言えると思います。
では、「コーポレートPR」の目的はどうでしょうか。
「採用のため?」
「取引先や投資家からの信頼獲得のため?」
「認知拡大のため?」
など、採用も信頼も、認知もコーポレートPRの目的となります。プロダクトと比較して長期的な活動のため、目的の幅も広く感じますが、一言でいえば「あらゆるステークホルダーに対するファン作り」になります。
その中でも会社に最も近いステークホルダーは社員です。社員が「うちの会社はいいよ」と社外に自慢できる強みがあり、それを社会に伝えられることが一番です。そしてさらに「良い会社作り」を進め、その進化を社会に発信することは、コーポレートPRの大切な目的になります。
しかし「良い会社作り」は、広報だけでは実現できません。まず経営者と広報の連携が必要です。経営者だけが「こんな会社を作りたい」と思っていても、社員だけが「こんな会社だったらいいのに」と思っていても、形になることはありません。
経営者と社員、特にインナーブランディングの役割を担う広報が、経営者とともに「どんな会社を作る?」と目指す会社の姿を話し合い、そこに事業責任者など会社をリードする社員も加わるなどして目的を共有します。その目的が「コーポレートPRの目的」になります。
目指す会社のイメージを経営者と社員が共有できているか
コーポレートPRの成功は、どれだけ多くの社員が目指す会社のイメージを共有できているかにかかっています。コーポレートPRの目的、つまり「目指す会社の姿」を経営者と広報が一緒になって根気よく社内にメッセージを発信し続けることが重要です。
コーポレートPRの取り組みを続け成功している経営者や広報の方に聞いてみると「最初はアウェーだった」と聞くこともあります。社員は決してネガティブなわけではなく「自分の仕事ではないと思った」「それで会社や事業がどう良くなるのかピンとこなかった」など、初めてのことに半信半疑だった人もいたようです。
しかし、社員の声が反映されて会社が変化した活動を社外に発信することで、取引先や知り合いの方からの反響があるなど、社外の人から見た会社のイメージを聞くようになって実感しているようです。
コーポレートPRが成功すると、社員が「働きやすい」「働きたい」と思う場面が増え、社外からの注目や信頼も高まることから、結果として事業にもプラスになり、さらに社員のモチベーションも上がります。
ある企業の経営者からは、新規取引が決定したときにお客様から「最終的に取引を決めた理由は、会社の取り組みを見て、その姿勢を持つ企業であれば信頼できる」とのコメントがあったと聞きました。
まずは、目指す会社のイメージや姿、社内が同じ目標を持てるよう、経営者と広報が根気よく社内に発信し続けることから始めましょう。
良い会社作りの成功は、リードする広報がキーマンに
長期にわたるテーマが目的、目標となるコーポレートPRは、どのような活動をし、いつ情報を発信するかなど、計画をどう立てるかが重要になります。
プロダクトPRは、営業やマーケティング、商品開発などの事業部の計画と連携しながら広報計画を立てますが、コーポレートPRは事業だけでなく会社のPRとなるため、会社の取り組みや活躍する人などの情報発信を通じて行うことも多く、人事部との連携や、ときには広報が主体となって計画を立てることもあります。
最初に目的となる「なりたい会社の姿」を実現するための具体的な目標、取り組みを考え「なぜそのことを実現できる会社にしたいのか」「今、それを実現できていない課題は何か」「社会的には実現できている会社はあるのか、社会的な課題はあるか」など、会社が取り組む理由や、社内外の事実を整理します。
すると、社内で本当にその内容を取り組むべきかを決めることができ、どうしたら実現できるのかの計画を立てやすくなります。そして、その活動を社内にいつ発表するか、社外に発表するのはいつのタイミングが良いかスケジュールを決めていきます。
広報だけでは実行できないことも多く、その場合はプロジェクトの立ち上げや関連部署と連携し進めます。気をつけることは、コーポレートPRの計画は中長期で取り組む内容が多くなるため、「いつの間にかフェイドアウトした」ということがないよう、広報が詳細に計画を立てリードすることがポイントです。
コーポレートPRを始めたい。でも「何を発信したらよいか」と悩んだときに、この「良い会社作りの計画」が参考になれば幸いです。
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