こんにちは、株式会社ネタもと メディアリレーションズ部です。
商品やサービスだけでなく、企業の魅力を発信するコーポレートPR。顧客だけでなく、社員や地域、採用母集団など全方位のステークホルダーに“ファン”を作り、永続的に発展するために、これからの企業に欠かせない広報活動のひとつとされています。
そんなコーポレートPRの切り口のひとつに、社内制度や取り組みについての情報発信があります。特に昨今では、学生やESG投資のアピールとして、働き方やSDGsの取り組みに関する発信は必須となりつつあります。
こうした情報は、基本的には自社ホームページやSNSなどオウンドメディアでの発表が主となります。しかし広報たるもの、可能であればメディアにも取り上げていただき、世に大きく拡散したいと思うのではないでしょうか。
メディアも、<働き方改革>や<SDGs推進>といった社会背景に押されて、企業の事例を取り上げる頻度は増えています。実際、ネタもとに寄せられるリクエストでも「福利厚生に注力している企業を募集」といったものは途切れず寄せられます。
<ネタもとリクエストとは>
ネタもとサイトが提供するサービスのひとつ。ネタもとに登録しているメディア関係者から寄せられる、月60件以上の「いま欲しいネタ」リクエストに自社情報をエントリーし、マッチングを実現します。マッチングが成立するとメディアから連絡があり、取材や掲載につながります。メディアがいまどんな情報を求めているのかを知ることができ、またエントリーに対するレビューを今後の広報活動の参考にしていただけます。
しかし一方、企業様が発信される制度・取り組み系情報のほとんどが、メディアの方々に「う~~~ん・・・」と思われてしまうのも事実です。何がいけないのでしょう?
ポイントを3つ共有させていただきます。
①制度や取り組みは「始めること」ではなく「継続した結果」にニュースバリューがある
ほとんどの企業様が、制度や取り組みを開始されたタイミングで、オウンドメディアへの掲載とメディア向けプレスリリース発行を同時に行います。
オウンドメディアはそれでも全く問題ありません。しかしメディアはどうでしょう。メディアは公益性のある情報を視聴者・読者に届けることをミッションとしています。とある企業が育児支援制度を始めたり、社内ドリンクのプラコップを廃止したりすることが、世の中の人々にとって「公益性のある情報」となるでしょうか。
制度や取り組みは、始めることよりも続けること、そしてその成果として何が得られたかが重要です。社員のリアクションや、始めてみて気付いた壁とその解決、制度導入前と今では何がどのくらい改善したのかの数値などがあって初めて、同じ悩みを抱える他社や社会への“公益ある情報”となります。
②他社にはない、自社ならではの取り組みこそ価値がある
一時期、毎日社員がお昼寝をする企業様がメディアによく取り上げられました。午後に短い睡眠を取った方が生産性は高まる、という社長のお考えによる珍制度ですが、このように「他には見ないもの」「エッと驚く意外性のあるもの」などは、開始時であっても記者の興味を引く場合があります。
(珍しい内容であればいいというものではなく、理由や背景、効果などは最低限必要です)
育休やランチ手当など、どこにでもある制度・取り組みは、よほどその細部に個性がないと記者の目には留まりません。
③時事に紐づく制度や取り組みは“1番手”でないとニュース性が薄れる
記録的な物価高騰のなか、初任給などの賃上げや、円安手当など金銭的支援を行う企業が増えました。
しかし、こうしたネタは、最初に報道されたタイミングが“旬”です。2番手・3番手を取材することはほぼありません。
残念ながら、よほどのことがない限り「すでにどこかで見た」制度や取り組みにニュースバリューはほぼありません。
ここで成功事例を共有いたします。
IT事業を営まれる企業様は、エンジニア社員の定着率を高めようと福利厚生制度をどんどん新設されていましたが、制度利用率は低いままでした。
悩んだ人事ご担当者が社内ヒアリングを行ったところ、そもそも制度を知らなかった/制度内容を理解していなかった/部署の雰囲気的に制度が行使しにくいと感じている、などの現状が分かりました。
そこでご担当者は、まず社内の各部署長に「なぜこうした制度が必要なのか」経営意図を説明した上で、全社員を対象に制度説明会を実施しました。また、月毎に算出した制度利用率を各部署長と共有し、利用が進んでいない部署別に原因を割り出し、課題解決に努めました。
結果、2年以上をかけて社内に理解を浸透させ、制度利用率も大幅に向上しただけでなく、当初の目標だった社員定着率も上昇したそうです。良かったです!
さて、こちらの企業様も、いままで制度を新設した際は必ずプレスリリースを出していましたが、メディアからのお問い合わせは全くなかったそうです。
上記のような成果が出たタイミングで、改めて自社の取り組み報告というテーマで再度プレスリリースを作成しました。それぞれの制度を設けた背景、直面した壁、社員の反応・・・それらにどのように向き合って、結果どのような数字的変化が見られたかまで書いた力作でした。
このプレスリリースは大型ニュースポータルサイトで働き方に関する記事を担当されているライターの方の目に留まり、詳細な取材を経て掲載になりました。
今でもこちらの社名で検索すると上位結果に記事が掲示され、企業様のコーポレートPRとしてプライスレスな効果をもたらしています。
プレスリリースとは【メディアを通して社会に有益な価値を届けること】が鉄則です。特に取り組み系の情報は、ともすれば「お知らせ」レベルに留まってしまいがちなテーマです。そうではなく、読む人にとってどんな利益をもたらすのかを意識しながら、作成されてみてください!